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開業医ができる体外受精
(助産婦獲得の秘訣)

医療法人真心会 南草津 野村病院 野村 哲哉 先生

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<野村産婦人科での不妊治療について>

開業する時には、子宮卵管造影をするためのX線装置の施設が作れなかったのですが、不妊治療には造影の施設が必要と思い、設置しました。
卵管造影だけでなく、精液に関しても顕微鏡を覗き、マクーラを使用し、検査技師がきっちりカウントしています。医者がカウントするのと検査技師たちがカウントするのでは全然違います。開業医が腹腔鏡を行うのは危険が伴うので、必ず麻酔の専門の医師に頼んで腹腔鏡をしています。

 

<基本的な方針>

不妊治療で来院された場合、医師の診察後、検査技師が再チェックしエンブリオジスト等の説明を行います。

そして半年間ぐらいタイミングを合わせながら診察したり、子宮卵管造影を含めた最低限の検査を行います。半年で妊娠しない場合は、ご主人もいっしょにカウンセリングして夫婦そろって不妊治療にあたります。
精子の培養もあるので、TESEは行っていません。倫理委員会は設置しています。
当院が行う不妊治療のレベルは、採卵・顕微受精、それから胚盤胞移植です。以前近畿産科婦人科学会で胚盤胞の話をしましたが、分割の進んだブラストシストを胚移植してという形をとっていました。今は2日目ぐらいのツーセル、フォーセルぐらいのものを1回戻して、あとの余剰卵をブラストまで待って、6日目、7日目ぐらいまでにはこれを戻してあげるという二段階移植法をとっております。
これをやることによって、一つは胚の質の安定が十分期待できるということと、戻す卵は2日に1個と6日に1個戻せばいいことになります。ブラストだけの移植をしていると移植までいかないケースがあります。つまり受精しましたよというアナウンスをして、そのあと6日目ぐらいに「分割していませんから戻せません。」という形でがっかりされるケースがあります。しかしツーステップ法は2日間に1個戻していますので、普通のコンベンショナルなIVFができて、しかもブラストまで卵がすすめば、胚盤胞移植もでき、それなりに患者さんも納得していい意味があるんじゃないかなと思います。実際のところはツーステップしなくてもブラストだけで十分いけるんじゃないかなと思っていますけれども、大学がやっていますので私もやっています。

滋賀県南草津野村病院

滋賀県甲西町野村産婦人科

平成9年3月に開院。38床で産婦人科の医者が3人おり、小児科医による診察が週に何回かある。麻酔科の医師も週に何回か来て、出産が月に70ぐらいです。 平成3年19床の診療所を開院。大体月に50〜60ぐらいの出産を取り扱う。平成5年に滋賀医大の野田教授から滋賀県で体外受精の施設がないという話を伺い、体外受精のプロジェクトを開始。

週に2度ほど腹腔鏡の手術を行っている。体外受精は週に月・水・金と採卵を行い、そこで1例ないし2例、多いと3例ぐらい、開業医で行える数の体外受精を扱っている。

甲西町と南草津の一月の出産件数は120件で、滋賀県での出産数14000件の10分の1にあたる。昨年から滋賀医科大学が研究している、胚移植を2段階に分けて着床させるツーステップ法を行っている。

 

 

<胚培養士としての検査技師>

 
  検査技師が胚培養士として卵を扱い、不妊治療のカウンセリングを行います。それから採血と基本的動作。もちろん、赤ちゃんの採血等もやってくれます。それと、今後問題になってくるだろう院内感染に対して仕事をさせてあげると、病院でMRSAが出た、どうのこうのと、いろいろと問題があってもきちんとした検査をし、記録として残してくれています。医者が院内感染等の管理を行うとルーズになりがちだが、検査技師にそれをまかせると、月に1回でという話をしておけばきっちり記録を残してくれます。院内感染について問題になったときにでも役に立つようなシステムが確立できます。  
     
 

<リピーター獲得の為の努力>

 
 

マタニティーコンサートや母親教室・マタニティービクスを行っている。整形の更年期世代を対象としたストレッチ教室も設置。
マタニティスイミングは、スタッフが付き添い近くのプールで行い、又、低料金で子ども達も一緒に参加できるアフタービクスも行なっている。

 
     
 

<産婦人科医と助産婦が一緒にする外来という意味での助産婦外来>

 
  妊娠の20週ぐらいと32週ぐらいと37週ぐらいに時間をとって、30分〜40分きっちり話をして、いろんな問題点を挙げさせています。特に20週のときにはもうアナムネ図をとるような形で、患者さんの背景をきちんとある程度記載させるし、32週と37週にはもちろんモニターを撮って、胎児が元気なことを確認しながら行ないます。特に助産婦には37週の外来時、できるだけ旦那さんと一緒にきてもらうように話をしています。どんな手術の場合でも必ずご家族に話をするように、出産という局面で、ご主人の役割・出産についてのリスク等、助産婦の方から見て話してもらう時間をつくるということが大事だと思います。  
     
 

<産婦人科医院に隣接した助産院の計画>

 
  周産期医療 安全性に関して(危険な順)

1 自宅分娩

2 助産院
3 産婦人科診療所(医師1名)
4 産婦人科診療所(医師2名以上)
5 病院内の産婦人科(複数の産婦人科医師,小児科医師、麻酔科医師)
6 NICUを持つ病院内の産婦人科

人間性を加味して医師の立場からお薦め

1 院内助産院(NICUを持つ病院内の産婦人科)

2 産婦人科診療所(産婦人科医師2名以上、非常勤の小児科医師と麻酔科医師)

人間性を加味して助産婦の立場から(Drがみた方がよい)

1 助産院自宅分娩

2 産婦人科診療所(医師1名)ある意味で、助産婦主導の分娩

私の考える、人間性を加味し、安全性を最大限に考えた立場から産婦人科診療所に併設された助産院・信頼する産婦人科医師と助産婦による妊娠中の外来管理・患者さんの望む分娩方法・優秀な助産婦の管理下に、医師が立ち会う分娩。
助産婦は、正常分娩の達人だが、異常分娩には介入できない、分娩は、どの時点でも正常が異常となる可能性をもっている分娩に助産婦だけが立ち会うのは間題である。
正常分娩の産後の指導ができるのは、助産婦だけであり医師にはできない。
医師・助産婦・看護婦ができること・すべきことを確認し合い、分業する。
以上の事柄を考えた上で、甲西町野村産婦人科に助産院建設を計画しています。

 
 

<優秀な助産婦を獲得するのは>

 
  助産婦を選ぶとすると、やる気のある協調性のある若い助産婦を選ばないといけないと思います。助産婦さんはものすごくこだわりのある個性のある子が多いので、個性の強いやつを一人入れるとお互いに潰し合います。協調性のある若い子を入れるという形を徹底して考えることが肝心かと思います。そして助産婦にやり甲斐のある仕事をさせてあげる。そのために、「今、助産婦外来をしてます」とか、「助産院を造ろうとしてます」とか、「マタニティ・エクササイズをやってます」とか、いつも助産婦には課題を持たせてやるというのが助産婦獲得の一つの秘訣かなと思うんです。
最終的には助産婦とうまくやっていかないと医院運営の効率化が図れませんので、助産リードすることが非常に大事だと思います。例えば、異常分娩になったときにきっちりしてあげるという形で、きっちり締めるところは締めてあげないと勝手なことしますので、そういう形でやっております。
 

 

<質疑応答>

司会   ちょっと時間がありますので、皆さんご質問があれば、どんなところからでもいいですから、先生にお尋ねしてみてください。
■質問   不躾であれですけど、僕もあれ(ぺリネイタルケア)に広告を出しています。やっぱり先生の場合、病院がデラックスだから、だからやっぱり応募者があるのですよ。僕はあんまり反響がないです。残念ながら。やっぱりあそこを一番してみたいですよね。うまいこと助産婦を指導するというのを…。
野村
  僕が指導しているわけではありませんけれども、助産婦外来をされるのはものすごくいいんじゃないかなと思います。彼女たち主体にやられるのも。でも、助産婦だけに任せてしまうというと絶対落とし穴があるので、何回か決めて、そういうふう(助産婦外来)にさせるということがいいのではないでしょうか。
■質問   やはりそのときに先生も一緒に診ていくわけでしょうか?






野村






  最初、普通のように外来は予約制でやっているんですけれども、例えば10時なら10時に予約しますよね。患者さんがいっぱい待っていますけれども、その人が10時に来たら10時に入れるんですよ。10時に来たら助産婦と一緒に入って、助産婦が体重を測って話を聞く。それから診察室に入って、僕が「こんにちは」ということで、一応、赤ちゃんが元気かどうかを確認して、今日はゆっくり助産婦といろいろな話をしますよという話で、別の部屋へ助産婦が連れて行って、その日はその人は本当にゲストみたいなもので、優待券を持っているようなものです。そうやって自分がそういうふうに認められるというと患者さんはものすごく喜ぶし、そうやって話せると助産婦も「私は助産婦よ」という形が発揮できるので。そういう形を3回やろうと思うと、うちの外来だと月に260やらないといけないので、1人に30分〜40分ぐらいかけるとなると、1人の助産婦が1日に午前中だけで4人かそこらです。だから、そういうことでそれをやろうと思うと、別に二つ部屋が必要になってきます。だから3回やるだけでもそれぐらいかかりますので、1回でも2回でもそういう形で期待されると、助産婦はそれに対してやり甲斐を感じてものすごく燃えます。僕らとしてもいろいろなトラブルが起きないようにアナムネ時にきっちりとっていますし、一応、モニターも読めますから、そういう意味では何かあったときに役に立ちます。それのカルテが今日の資料の中にも入っていると思いますけれども、2枚綴りでこういうところこういう指導をこうやってしてきたよという…。これを三つでやるとお互いにいいのでしょうけれども、なかなかできないかも分かりませんが、一つだけでも始めていくと何か始められたら、助産婦はやるということです。
■質問   助産婦さんは先生のところは何人いますか?
野村   うちは全部で11人おります。
■質問   全体としての母親学級も設けておられるということでしたが?
野村   全体としての母親学級は初産婦を対象にして初期と後期に分けてやっています。
■質問   内容的にちょっと個別のときとだぶってきますよね。

野村

  だぶってきますが、初産婦さんを対象にしていますので、大体5ヶ月ぐらいでざっとしたことを話しても、皆、大抵分かってないと思います。だから、そういうのを聞いた上でこれに来ると、ものすごくよく理解してくれます。最初に僕もざっとお話をするということがあって、そのときに細かい話は一応します。歯の話とかいろいろな話をしますけど、大体のこういう話をしただけで、実際はこの助産婦外来での方に意味があるし…。
■質問   全体だと本当にどこまで伝わっているのか分からないというところがあるのと、でも個別にやるとかなり時間がかかり、さっき言われたように全員やろうと思うとなかなかむずかしいですね。

野村

  全体を一つぽんと軽くやっておいて、それでこれで徹底していくという形で今はやっております。初産婦さんですからちょっと嬉しいということもありますから、そうやって母親教室というものへの憧れもあって必ず来てくれますので、そのときにはそういう形をとったり、マタニティーコンサートがある時期だったらそれとかに合わせたりとか、そういう形でやっております。
■質問   実際の分娩のとき、助産婦さんが主体でやるのは分かるんですが、医者は何かあったときに呼ばれるわけですか?そうではなくて立ち会うわけですか?

野村

  立ち会います。助産院は来年4月に完成予定で、まだできていませんけれども、助産院の場合も、今、うちのお産でも普通に先生たちがやるのと同じだとうのですけれども、ちゃんとお産に立ち会いまして、全開から呼ばれて立ち会って、そしてお産をします。助産婦は僕らに手を出されるのがものすごく嫌みたいですけどね。そのときに、危ないときに助けてあげるというのを嫌というはないと思います。
■質問   小児科の医師は分娩に立ち会ってないんですか?
野村   立ち会っていません。下で開業されているご夫妻の先生に院内の子どもたちを全部管理してもらっています。そういう意味で、僕とすれば子どもから手が離れたというのはものすごく精神的に楽になりました。子どもも皆元気、お母さんもという形で。うちの場合はIVFもありますし。
■質問   この頃、ある病院なんかは検査技師がスクリーニングを超音波でやっているようですけど、その辺の認識をちょっと教えていただけますか?
野村   その人によるでしょう。その人がものすごく話も上手で、ある意味人間性のある人だったらものすごく意味があることになると思いますけど、却って冷たくそれをされるとどうかなという感じがあります。
■質問   全米なんかやっておられる病院がありますけどね。 先生のところはどうですか?
野村   うちはレントゲン技師がやります。 竹村先生のところはそんな感じでやられてましたよね。でも、さっき山本Dr(野村病院女医)が患者さんと同じ画面を見ながら、看護婦が側についてエコーをやっているところがありましたけど、あれが意味のあるエコーだと僕は思います。
■質問   だけど分娩数をこれだけやっておられると、医師では対応できないところがありますよね。時間的に1分でぱぱっと診られると。そういった意味で超音波技師がそういう資格がありますから、それで竹村先生はそれを補っておられると思うんですけどね。
野村   否定するつもりはありませんけれども、技師に任せるだけでは…。
■質問






  それは、専門の技師にきっちりと羊水量から何から測ってもらってやっていれば…。我々が忙しいのに全部診るわけじゃないから。一応、診るところは決まってますからね。大体、そういうことをしていたらどうしても落としてしまう。それで妊娠中にこの赤ちゃんの異常が分からなかったのではないかということを分娩後にクランケの方から責められれば、結局その先生のミスになりますよね。それを全部初めから優秀な技師がずっと診てくれれば、それはもう安心は安心だと思いますけどね。だけど、患者さんとBスコープを見て男の子か女の子かというようなことを向こうが聞くから仕方なしに診ているんですけど、そういうことをしていろいろといいところも出てくるので…。技師さんはそういうようなことでなくて専門的なことになる。だから一長一短はあるんじゃないかと思いますけどね。
野村   僕は、3Dをするとか、こことかそれを測らせるとか、ここを測らせるとか、そういうのは技師をトレーニングをしてさせたらいいと思います。3Dの僕は自分でやろうかなと最初は思いましたけれども、ちょっとできません。
■質問









  医者には時間的な制約があるでしょう?そういったもので細かいチェックをそういう資格のある者にと…。僕は竹村さんの診療を考えていますけど、そういった意味でやられているんじゃないかと思うんですね。エコーの部屋を見たら2台でやっておられましたね。バッと連続的に。そこで一応何も言わないでスクリーニングをかけて、それで引っ掛かってきたのを…。ほかの例なのですけど、細胞診というスクリーナーがございますよね。それで異常が引っかかってきたら、また医者が別個に診る。だから、私も時々自分の検査に胃カメなんかに行ったときに、バッと検査技師がやるのですからね、あれ。そしてあとでそのチェックのところをやっているわけで、我々のところも人があればそういう細かいところを診てくれるようなものがあれば非常に意義があるという具合に。
助産婦外来もやっぱりそういう意味が僕はあると思うのですけれどね。だから、医者の限られた時間内で全部診ようというのは大変だから、コメディカルのそういった範囲はこれからどんどん伸びるのじゃないかという具合に考えていますけどね。
     

野村

  検査技師を雇うと、そういう意味でいろんなことができるというのはあると思います。心電図も簡単に取ってくれますし、もちろん、そういういろんな事を教えたらいいと思います。彼女たちはやりたくてしょうがないのですけれども、今、新生児の耳からの採血がありますよね。あれも彼女たちにやらせると10分ぐらいで上手にやるのですよ。だから、そういうようなのも今後出てくるでしょうから、優秀な子にいろいろしてもらう事は、いいのではないかなと。
■質問   先生がやっておられるような不妊症のムンテラでも、そういう人を使ってうまいことやっておられるし、産科もやっぱりそういう幅広い診療をやらないといけないのじゃないかとは思ってるんですけどね。大変参考になりました。ありがとうございました。
  本当に、いろいろと考えてやっておられるのですね。


野村




  2段階ね。もちろん、ご存じのように卵管内で自然に受精をして、それが着床するまでには5日から1週間かかるわけですから、本来は卵管で受精した卵が子宮の内膜に行くまでのその時間を、今までは2日間でやってたのですよね。2日のコースで四つなり八つに分かれた卵を子宮内膜に戻すという方法でした。卵が胚盤胞ですから、その辺のタイムラグを解消できるというのが胚盤胞移植という形になります。胚盤胞移植というのは、先ほども申し上げましたように、卵のクオリティが自然に選別されていく。いい卵でないとそこまで胚が育たないということがありますから、それを少ない数入れてあげたら多胎の防止にもなります。でも、胚盤胞まで経っているとやっぱり脱落してしまいます。ツーステップだとまずは1回でも入れてあげられる。せっかく卵を採ったのに1回も入れないで終わるということになると注射で10万もかかって、採卵に2万もかかってどうなってるのだという話になります。そうならないようにちゃんとあの子たちが説明はしていますけれども、事務長たちに言わせると注射も打って、卵管を採って、卵を戻して、今までのIVFをした上にプラスまたこの胚盤胞移植ではもう1回ETのお金が増えるという形になるわけですよね。病院の経営上はね。でも、それにはやっぱり卵のクオリティを保たないといけないので手間も増えますし。
■質問   安全牌みたいな意味があるのですね。
野村   そうですね。もちろんです。
■質問   先に入れておいたら内膜が何か反応してくれるのですね。








野村












  そうですね。今、塩谷先生というあそこで開業されている先生が大学のときに発表された、因子が出ているのではないかというので内膜が出ているのがあるという…。うちの大学の人達もそんな研究をしているのもいましたけれども、内膜の変化がもちろんあるということで。この内膜というのは、卵管へ卵を入れてあげるのが一番いいかなという感じがしてたんですけどね。ジフトといって胚を卵管に戻してやる。もちろんジフト等ですけど、そういうことをやられているんですけれども、腹腔鏡をしてまでというのは患者さんの負担も多いのでなかなか大変です。そういう意味で安易に卵管へ入れてどうこうというのは…。もうちょっとすると培養した液の中に何か出ているだろうから、その液だけを内膜なり卵管にちょっと入れてあげて、そのプライミングをしておいて、そこへいい卵をぽっと入れてあげるという形になれば、それこそ1個の胚盤胞を移植するという時代がくるのではないかなと。胚盤胞のいいのだと、今、70%〜80%ぐらい妊娠するのです。胚盤胞、ブラトシストというのはやっぱりクオリティがあって、クオリティのいいものだととにかくちょっとやったら妊娠するみたいですので、そういうクオリティのいい、ラボのいい卵ができれば、そういう成果が出てくると思います。そうやって卵は2個なり1個入れておいて、また1個なり2個入れるという形をとると、やっぱり多胎が出てきますよね。うちもブラストを去年使って入れていたときに2個戻してるんですけれども、三つ子が二つ。ブラストをやる施設はあれが多いみたいです。だから、そういう意味で、やっぱりブラストを2個戻すというのは、三つ子を作る素になるかなという感じもします。それも、一つは一卵性になるわけですから、それなりの危険性もあることになります。プライミングをするという意味でジュースを入れるところもありますし、機械的なチューブを入れるだけでも、刺激だけでもいいのではないかと思います。なるべく卵を入れないでやるという方法も今考えていますけれども、滋賀医大の方ではとりあえず胚盤胞移植でやるという形で今研究をやっています。大学の方は基本的に三つないし四つ以上採れたときに、ツーステップのプログラムに基づいてまず2個入れておく。そして胚盤胞まで。それも一番いいのではなくて2番目と3番目にいいのをまず2個入れておく。一番いいのとあと残っているもので培養を続けて、それが胚盤胞になるのを待って入れるというツーステップのような形を作っていますけどね。うちの方としては今その方法と、1個戻す方法という形でいろんな場面に分けて研究しようと思いますね。僕としては1個入れて1個守るという形でやってみようと。
■質問   全く素人的な考えなのですけど、IVFを卵管に戻す方がいいということで、ほとんどが腹腔鏡下にチューブで戻してますよね。この卵管鏡というのは、慶應なんか結構やっているところが多いですけれども、将来、技術的に卵管まで移植するのは難しいのですか?
野村   将来、それだけの太さのチューブが入る卵管鏡ができればいいと思いますけれども。
■質問   今のETチューブでは入らないのではないですか?

野村

  あれは慶應が言い出したのですけど、今はもう下火になってしまって、そこまで拡張して入るようなことはまだ技術的に難しいですね。下からは、卵がそのブラストまでが入るかなという感じが僕はしますけどね。今のETチューブでは入らないと思いますよ。一応カメラを通して入れるわけですから、それを進める大きいカメラが入らないと入らない。
■質問   卵というのはETチューブよりずっと大きいのですか?
野村   いや、ETチューブの内径よりは小さいですから。ETチューブは入りますから、卵がそれを吸わないといけないのでね。
■質問   何か考えてみれば、心臓の話ですけれども、バッと広げて入っていくでしょ。ああいうようなことが技術的にできないのかなと考えてみたりとかですね。いけそうなことはないですかね?
野村   だから、僕は最終的にはその成分が何かというのを突き止めて、その液体を入れてあげて十分プライミングできるのではないかなと思いますけれどもね。
■質問   卵だけ戻すというのが能じゃないのですから、何かジュースを、美味しいスープを入れて…。

野村

  美味しいスープを入れてあげてプライミングをして、そこへ卵を戻してあげて。本当にあと数年の間にそういう胚盤移植が出てくるのではないですかね。このツーステップというのも、もうイスラエルかどこかで1回やられていた事です。あんまりいい成績が出てなかったようですね。数も少なかったし。今は滋賀医大とうちでやって、結構いい成績が出ています。
  そのいいジュースをばらまくということがいいのかも分かりませんね。
司会   時間となりました、野村先生どうもありがとうございました。