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「ITと今後の産婦人科経営」

株式会社 新経営サービス 冨士野 雅晃 先生

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<インターネット医療>

今後は通信インフラのさらなる整備と基本的な電子データの整理統合の必要性があり、患者によりよい資料を提供する視点に立って収益事業と非収益事業を組み合わせた情報発信を確立することが求められている。
例:オンラインの医療相談サービス、医療機関検索サービス、診療支援システム、保険請求業務など
 

<電子カルテT>

・電子カルテとは?
カルテを単にデジタル化だけでなく、ハードとソフト、ネットワークをうまく連携させることで診療プロセスの支援、制御を可能にしていく。一方、カルテは1患者1ファイルであり、医療チーム、地域、患者との共有、社会の共有財産としての活用を考える必要がある。
また、目的は様々であり、事務の効率化・臨床研究への活用・情報共有・品質管理などがあげられる。品質管理の観点からは、例えば具体的に正しい用語・病名を利用することによってデータの精度管理・信憑性を向上させることになる。
 

<電子カルテU>

・IT化の現状〜オーダーエントリーが病院情報システムの典型〜
毎年100件ずつ増えており、現在は約700件が導入。国公立・公的の大規模急性期病院が主導で、本来の地域密着医療の中核を担うべき民間病院・医療法人病院には導入事例は少ない。

・何故か?
費用負担と費用対効果
オーダーエントリーシステムの相場は100床クラスの病院で約1億円。2〜300床であればどんなに安くても1.5億円から2億円。これらの規模の病院における年間医療収入はおおむね15−25億円。仮にシステムが1.5億円だとして、5年リース・リース料2%とすれば、年間4.000万円程度の負担となり、医療収益比で年間2−3%ポイントの経費増につながる可能性がある。むろん導入による効率化で経費増はある程度まで抑えることは可能ではあるが。
 

<電子カルテV>

基準:法令に保存義務が規定されている文書に記録された情報(以下「保存義務のある情報」という。)を電子媒体に保存する場合は次の3条件を満たされなければならない。
(1)保存義務のある情報の真正性が確保されていること
・故意または過失による虚偽入力・書換え・消去及び混同を防止すること
・作成の責任の所在を明確にすること
(2)保存義務のある情報の見読性が確保されていること
・情報の内容を必要に応じて肉眼で見読可能な状態に容易にできること
・情報の内容を必要に応じて直ちに書面に表示できること
(3)保存義務のある情報の保存性が確保されていること
・法令に定める保存期間内、復元可能な状態で保存すること
 

<質疑応答>


士野
  もし何かご質問等があれば何でも結構です、といっても医療のことを聞かれると、何でもいうわけにはいかないかもしれませんが・・・。ども、何でも。私もあれですけれども、何でも。◆






質問









  現在、京都の国立病院でオーダーエントリーシステムで電子カルテが導入されています。現在、伏見医師会との間でカルテを共有化しようということで、東のほうは東京の国際医療センターの秋山先生がやっておられまして、新宿医師会で既にかなり動いているみたいなのです。大体、ホストのコンピュータは新宿医師会の院長室にあるらしいですけれども、それぞれの医療機関は皆さんが端末で操作して、データは、新宿医師会の医師会室のところにホストがあるものですから、それでもうだいぶ実績ができているみたいです。そして西のほうは京都の国立病院で3年程前からスタートをして、現在国立病院では既にオーダーエントリーシステム及び電子カルテは動いております。来年の3月頃から、今、太秦の映画村の中にありますNear Visionという会社がございますが、その光ファイバーケーブルが既に我々の診療所の原初のところまで来てまして、その後はOCNの同軸ケーブルで1.5Mのスピードが出るので、それでパソコンは厚生労働省のほうから皆さんに多分無償で対応されるのだと思いますけれども。ソフトはそういうなので、1年間に大体20億ぐらいの費用をかけまして既にできているということで、早いところは5つの問題が現状を使っているのがあるのですけれども、それを破棄してでも使おうかなという気でいるのですけれども、ただそのデータが全部向こう側にあるというので、端末が我々のところの診療所にあるのでは困るという先生もおられるかも分かりませんけれども、現状はそういうので既に動いているのであります。


士野

  ありがとうございます。私ども正直言って勉強不足でしたので、京都のほうがそのような形で動いていただいているというのは非常に、こちらからも、私が逆に質問させていただいてよろしいですか。EBMについてお聞きさせていただきますか?






質問





  現状価格ですが、ハードウエアの方は、今、20〜30万か、40万ぐらいでいける訳ですけれども、ソフトウエアは、皆さんがおそらく言われられているのは、セコムなどで200万ぐらいの機械は使っているのですけれども、そういうことから大体費用を割り出して、後は、厚生省が要するに昔でいう連峰システムに乗せようというので、そちらのほうがだいぶ進んでいるので、東京のほうはそれなりにかなり動いているみたいですけれども。京都は、今度、伏見の医師会館が新しく建築中ですので、そこで産婦人科の二葉先生がメインになって、この春に完成するのではないでしょうか。
 それと同時に結ぼうという政府の官報にあるみたいです。ですから、先ほど言われましたように2〜3億円でやれないかなというのですけれども、現在、国立病院のほうはイントラネットで全国に有線で繋いで、光ファイバーで繋いで、伏見医師会に公衆回線に対応できれば、そこは24時間監視しているみたいですけれど。そんなんでほとんど大きいところはオーダーエントリーシステムというのは大概動いているのではないでしょうか。


士野

  そうですね。ありがとうございます。もしよろしければその他、ご質問等ありますでしょうか?


質問

  一番聞きたかったのは、現状の産婦人科でどういう場合にその情報処理を最も効率的にやられているかとか、我々の知る範囲ではせいぜいインターネットでそのホームページを作っているという程度なので、非常に進んでいる病院はどういう具合にその効率化をしておられるか、その辺のことを今日は一番聞きたかったのですけれども。





士野




   そうですね、効率化という点ではないですが、やはり独自で患者さんを管理される環境をソフトを含めて構築されている例はあります。例えば、来院される患者さんに対してデータを一元管理されて、運動医療施設などでデータに基づいてどういう運動をしていけばいいかというような形で指導されているようです。
 あと、事務の効率化は、医院の業務フロー全体をどれだけ電子カルテのハード、ソフト、ネットワークにうまく乗せていくかではないでしょうか。そのために現在、紙ベースの業務を本当に必要なのかどうかを検証していただきたいのです。このことは一般の企業の視点から捉えていると思いますが、無駄なところをできる限り排除していただければと思います。








質問









  メールについてですが、一番メールのやり取りが激しいところは不妊症の患者さんでして、お互いの患者さん同士が今日は排卵誘発剤をどれだけ打って、それこそコストが何倍あるか、そういうところまでやりとりして、それでうまいこといかなかったとか、この病院はどうのこうの、ここの病院はどうのこうのということで僕がホームページを見ましたら、Q&Aでやっておられる先生もおられるますけれども、診療内に関することをそのように電話ではなくてコンピュータ上で返事をするということは非常に問題が起こるのではないかということで、現状、たとえが違うかも分かりませんけれども、言ってみれば、弁護士さんのなかでは電話で済むような話しばっかりです。ですけど、絶対に顔を見て話しをしないといけないということで、僕はIT化に関しては診療の技術そのものに関する質問とか、そういうのは、情報は提供をしてもいいと思うのです。情報を見ようと思ったら、日本では癌センターなんかはいろいろ疾病の説明があるみたいですけれど。アメリカのほうでは非常に発達しているみたいですけれども、そのようなアドバイスは僕はかなり反対だと思うのです。実際に来てくれて、それぞれ個々の人が違うから、こういう具合に答えても全然違うふうに取られたりするので、そのような方向は間違っているのではないかという具合に考えているのですけれど。なんせ不妊症のほうはそんなんで、ものすごく先走ったことで皆さんはやり取りをしているみたいですけれど。それで実際に産婦人科、我々の経営が非常にきついから、実際にどのような具合に効率的にできるかという話を聞きたかったのですけれど。






士野





  そうですね、効率的にとご質問を受けましたが、今、先生がおっしゃっていただいたその怖さというのはメールでやり取りしているのを含めましてIT化全般にあるのではないでしょうか。その部分は、私も先生がおっしゃるように、全てをネット上でやり取りするのは問題があります。
 私も危惧する傾向があるのは、個人的なサイトで企業や医療機関に対する感想や意見をやり取りされているケースです。これだけインターネットが展開されてくると、正直申し上げて利用する側の強さというのがあり、対象となる企業・医療機関の本意に問わずそこに述べられていることが事実に近い印象を受ける場合もあります。
 そういう状況で患者さんとコミュニケーションを図ってもらうかというのは当然のことながら一番大事なことであり、“Face to Face”が前提でメールやネット上のやり取りがあることを考えていただければいいのではないかなと思います。



質問


  もう一言簡単に言いますけれども、私も長いことホームページを公開することに関しては抵抗を感じていたのですけれども、この間、実は少しホームページを出してみたのですけれども、メールアドレスを書いたらどんどん入ってくるわけです。それも診療をしているときの言えないことを全部その中に言うのです。「先生は最初来たときに何を言いました」とか、そのようなことを微に細に書いて来るから、やはり弁護士さんが電話で相談を受けつけないと同じように、少しはある程度線を引かなければいけないのではないかというのが感じですけど。




士野



  その通りですね。これはもうインターネットを「公開」という点から少し考えていただければいいのですが、ホームページや、もしくはインターネットへ自分の何かを置くという行為は全世界に公開されるという認識を持っていただく必要があります。当然、来院されている患者さん以外の方や少し語弊があるかもしれまんせんが、別の意図をもっている人もなかには存在します。ただ、地域に密着されている先生方は、それらのメールなどのやり取りに対してどういう基準で線を引くのかが、非常に難しいと思います。
 








質問







  私は、今、近畿の産婦人科の編集室のあれをやっているのですけれども、この来る3月に近3区の雑誌、産婦人科の進歩というのをいよいよネット上で公開しようというところまで来ているのですけれども、編集委員の先生、それぞれの識者の方にいろいろお褒めをいただいて、一番困っているのが画像データなのです。画像データに年月日、秒まで入っています。それで、私のところはあまり入れていないですけれど、それぞれの大きい病院は入れているわけです。それを削除しなければならないとか、あるいは何月何日逍遙報告で、私だったらMIなのですけれども、何月何日どこの病院でどのような疾病でかかって、要はどういうのかとか臨床経過報告をつぶさに書いてあるのです。それを全部削除しなければならないというので、今までだったら破れたといいますか、例えば人の顔が写っているかとか、今、産婦人科でいえば第二部の写真が出ているとか、あるいは腹腔内の画像が出ているとか、そういうことだったのですけれども、ネット上になりますと、まったく認証機能をかけてあれするのでも非常に大変なので、散々言われていると思うのですけれども、誰でも見られる訳ですから、そういうのでカルテの認証にかけては非常に大変なことではないかと思うので、国立病院がやっているのはあくまでもイントラネットでやっておりますので、そのような心配はないと思うのですけれども、インターネットは非常に怖いと思うのです。









士野









  そうですね。インターネットを含めてコンピューターというのは、とにかくネットに繋がった時点でセキュリティを考えなければならないということです。プロが構築したものであれば、可能性は限りなくゼロに近い状態だと思うのですけれども、インターネットの認証制度というのは、なかなか確たる技術というのが少ないのではないでしょうか。例えば、暗号技術についても解読される恐れというのは付きまといます。実際、その解読を専門にしている人間もいるようです。完璧なセキュリティの認証制度が普及するにはあともう少し時間がかかると思います。

 <中略>

 一般にIT化のサービスを提供するときに非常に驚くことは、ソフトをこんなに複雑にする必要があるのかということです。何故かと申しますと、医療機関の先生方が要求されるレベルというのは、技術的に高度な状況で開発しなければならないという課題があるかもしれませんが、一般企業で言えば、要求することと、それに必要な技術とにギャップがあるように思えるからです。開発されたソフトを使って何をしたいのかを突き詰めていけば比較的簡単に開発できる方法というのはあると思います。
 そこにセキュリティの課題を取り入れるときに、問題点を切り分ける必要があります。不正侵入を含めたIT面と入力ミスや倫理観など人的な側面などに分けてそれぞれに対してどういう手段を用いるかを考えていくことが大切になります。