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骨粗鬆症と大腿骨頚部骨折
京都大学医療技術短期大学部 理学療法科
教授 坪山 直生 先生
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骨粗鬆症(定義)
骨量減少と骨微細構造の劣化を特徴とし、その結果として脆弱化と易骨折性をともなった全身性疾患
(弟4回国際骨粗鬆症 シンピジウム、1993) |
骨粗鬆症というのは近年いろいろとございましたりしますけれども、10年近く前に国際医学会でこのような定義が決められまして、今では一応国際的に最も認知された現象の一つです。
主には加齢、年を取ることによって骨が減っていきます。骨の量というのは使い方によっても変わってきますから、この場合の骨量というのは、要するにサイズで説明した骨の密度という概念でいいのだというように理解していただくと。減ってくるということと、それから微細構造が大きくなりいろいろな意味も含みますが、一番分かりやすいのは骨の網目構造、量が減っていくとそのなかに網目構造の連続性が途切れてくるようになります。要するに、いったん途切れると、そこは連続性が回復しないわけですから、単に量の減少というだけでは測りきれない力学的な弱さというのを検査するというようなニュアンスだと思ったらいいのではないかなと。
そのようなことがあって、その結果として骨が弱くなって折れやすくなった状態であるということと、もう一つはその局所の問題ではなくて全身性にそのようなことが起こっている状態を持って骨粗鬆症というものだというように定義されているわけです。このような定義の背景にある考え方というのは、まだ骨折を起こしていない状態であっても、その危険が迫っているよというような段階の人は積極的に骨粗鬆症だというふうに診断をして介入をしていこうという考えが根底にあります。 |
| 骨の形成 |
| 骨というものはいったん出来上がってしまうと、いつまでもそのままいるのではなくて、常にアクティブに対策が行われている。骨が吸収をされて、そこに骨芽細胞が出てきて新しい骨を作るというサイクルを常に繰り返しながら体のカルシウムの骨を突き刺す隙間に役立っていますし、力学的に要請に応えて骨を換喩してアダプテーションを行っていくという意味でも大事な骨のリモデリングということが常に起こっています。その吸収される量よりも形成される量が若干下回るものですから、年齢と共に段々骨の密度が下がってくるということが基本にあるというわけです。 |
| 骨粗鬆症の危険因子 |
骨粗鬆症になりやすいファクターという根底ですから非常に多因子でありまして、その大部分というのは問題ですから、遺伝子、そして生活習慣、運動、栄養というものが非常に絡んで発症してくるものです。
実際に、骨が減ってくる、骨の密度が下がってくると、本当に骨が折れやすくなるとか。もちろん直感的にも骨が折れやすくなるに決まっていると思うわけですが、文献によりますと、モデルを使った実験ではその骨の密度というものが標準偏差で1下がると、大体、骨折の起こすリスクファクターというのが2ぐらい上がると。これぐらいの管理の指数関数的な変化を有するようだということだそうです。逆に言いますと、指数関数的な曲線であるということは、かなり骨の密度の下がった状態だと比較的僅かにそれが改善するだけでも骨折するリスクを優位にある程度は下げることができるということも示唆するわけであります。 |
骨脆弱性 骨密度
正常範囲
| 非外傷性骨折(+) |
←0.4%/年 |
骨量低下(−2.0≦T値<−1.5) |
| ←0.8%/年 |
骨量減少(−2.0≦T値<−2.0) |
| 骨粗鬆症 |
←1.4%/年 |
骨折のない骨粗鬆症(T値<−2.5) |
| ↓5%/年 |
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| 2個以上の脊椎圧迫骨折を伴う骨粗鬆症 |
“Fracture Intention Trial“より |
アレンドルレイドのヒットトライ・ヒットスタディという、フラクタルレイドアトライアルのフランス語のほうのアンデッショナルなのだろうと思うのですけれども、薬の入っていない状態で観察していると、骨の密度の少し下がってくる人、もう少し下がっている人と、ひどく下がっている人。T値というのは腰椎で測った骨の密度が若い人に比べてどれぐらい低いかという指標です。日本の診断基準ではパーセント表示なのですが、WHOの診断基準、欧米の診断基準は標準偏差です。若い人の平均からその標準偏差のマイナス2.5以下に下がっている人を骨粗鬆症と言っています。それの前段階の一つです。そこまではいかない人というように比べてみると、1年間観察してみると、その非外傷性の骨折、つまり大した発症基準もないのに、例えば脊椎の圧迫骨折が起こったというような症例がこれぐらいあった。やはり骨の密度が低ければ低いほど骨折が起こりやすいことは確かだと。さらに、いったん骨折をすでに起こしている人というのは、その1年間で新たな脊椎圧迫骨折を起こす確率がかなり跳ね上がってくる。単に骨密度だけでは説明しえない骨折密度だった。姿勢の問題かもしれませんし、いろいろなバランス感覚とか、転倒しやすいとか、いろいろなことが絡んでくるのかもしれません。そのような傾向が示されております。とにかく骨の密度というのはやはり骨折リスクに関係あるのだということは確かであるわけです。
人間の骨の密度というのは、20代、30代ぐらいの若年成人の時に一度ピークになって、その後徐々に低下してくるだろうと。閉経とかそのようなものがありますと急に下がる時期が、他の原因でもそのように下がることがあると。それと大事なのは若いときに十分に骨が蓄積されていないと同じ下がり方でも非常に早くに統計値も上昇力を割ってしまう。そのような意味で、最近値の若いときの更新組織を思い出すとかということが強調されているのはご存じのことです。ある程度それと事には、遺伝的なファクターも絡んでいるというように言っています。 最近では骨の密度が書かれますのでそれでもって診断することが多いのですが、やはり整形外科医ですので単純レントゲン写真というのを重視しています。古典的にはこの脊椎の写真を撮って、非常に薄いなとか、まだ疾患しているなというように見ていたわけで、これは慈恵医大式の分類ですけれど、今でも、これは臨床の場ではこのように活用されております。ただ、客観的に低量の判断が喜捨性条件とかで変わることもありまして難しい面があって、やはり単純写真と最近の骨密度測定というのを併用して診断するというのが最も有力なのではないかと思ってお見せしました。
大腿骨についても、昔からSingh's Indexというのがありまして、その突起状の装甲の残存ぐらいを見て、これはグレードが低いほど軽度である。骨粗鬆症の程度が高いわけですけれども、このようなIndexというのも活用されていました。 |
原発性骨粗鬆症の診断基準 (日本骨代謝学会 2000年度改訂版)
低骨量をきたす骨粗鬆症以外の疾患または続発性骨粗鬆症を認めず、骨評価の結果が下記の条件を満たす場合、原発性骨粗鬆症と診断する。 |
| T、脆弱性骨折 あり |
| U、脆弱性骨折 なし |
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骨密度 |
脊椎X線像での骨粗鬆化 |
| 正常 |
YAMの80%以上 |
なし |
| 骨量現象 |
YMAの70%以上80%未満 |
疑いあり |
| 骨粗鬆症 |
YMAの70%未満 |
あり |
YAM:若年成人平均値(20〜44歳) |
骨の密度が下がってきて、それで骨が折れやすくなった状態なんかを一言で言えば、骨粗鬆症と言うのですけれども、治療で介入していこうということになると、どの程度下がっていると本当に骨粗鬆症と考えて治療をするのだという大体の基準がそこにあります。欧米でも日本でも以前から診断基準というのは作られてまいりまして、日本では去年、一昨年に新たに改訂されたものがありました。まず、脆弱性骨折、つまり先ほど言いましたように、通常だとまず骨折をされないような程度しかかかっていない、あるいは自然に骨折を起こしたと。そのようなものがある人はそれだけで骨粗鬆症。いい例です。そのような骨折のない方は、先ほど言いました慈恵医大式の分類で骨粗鬆症があるかないかで分類をするのですけれども、より客観的には骨密度の測定をして、Young
Adult Meen、若年成人平均値の70%を切っている人を一応骨粗鬆症というようにしましょうかなということになっています。その80%から70%の間の人を骨量減少という。
骨粗鬆症というのは一言で言えば骨折しやすい状態であるというようにして、骨粗鬆症に何で介入するかというと、その目標は少しでも骨折を減らすことであるということ、そのように定めて割り切ってしまえば、当然診断基準の目的はその人が病的であるかどうかを判断することではなくて、その人の骨折リスクがどの程度有るかということを判定することになると思います。それならば、基準値は当然年齢と共に動かない絶対的な値、変動しない絶対的な値が基準値になるということです。
70%というのは、何で70%と決められたかという歴史的な背景は、これは骨密度を測定してそのカット口を変えていって、脊椎の圧迫骨折、脆弱性骨折があるかないかを最もスペシフィシティト・セシテビティで綺麗に分かれるラインが70%だったということで、70%というのが設定されています。欧米ではいわゆる診断基準では、−2.5SBですけれども、大体一致します。 |
DXA法
2種類の電圧によるX線でスキャンし、骨、脂肪、筋肉の吸収率の違いから連立方程式を用いて脂肪、筋の要素を算出、それを投影面積で割って面積密度(area density, g/p2)を求めるもの。 |
ある投影した部分の骨塩量を産出して、それを投影面積で割って、面積密度、densityというものを求めるものです。応用範囲が広くて、このような脊椎、腰椎で測るものが一般的になっていますけれども、大腿骨起因部でも測れますし、橈骨でも測れますし、全身という形での測定もできますし、そのように非常に応用範囲が広いということと、それから再現性もまずまず満足できるものであるといった利点があって、現在骨密度測定のスタンダードとなっている。 鑑定性に優れている、骨折後発部位の測定が可能だというような調査があるのですが、やはり問題点もありまして、骨密度測定といってこれは本当は骨密度を測っているのではないのです。つまり、先ほどの測定原理のところで出ましたように投影したある面の中に含まれている骨塩量を測定して、それを投影面積で割るわけですから、当然、奥行きの影響が出てきます。つまり、まったく同じ形の同じ密度の骨があってサイズだけ違っていると、サイズの大きいほうの値のほうが大きく出ると。これはそのような性質を持ったインデックスです。ですから、非常に体格の違う個体間とか、そのようなグループを比べる場合というのは注意が必要です。真の密度ではないということを頭に置いておかなければならないと思います。個人の変化を追っていくにはいいわけですけれども。それと、例えば腰椎の場合、年齢と共に変形性脊椎症になって骨棘の形成があるとか、椎間関節の骨興起があるとか、あるいは圧迫骨折など、そのような変化があると、当然過大評価されます。密度が高くなります。ですから、経過観察の途中でそのような変化が強くなってきていると、実際は骨粗鬆症が良くなっているのではないのに良くなったようにデータが出るということもあります。ですから、やはり単純レントゲン写真との対比ということも常に念頭に置かないといけないと思います。他の骨密度測定については数さえ意識しておけばそれでいいと思います。 |
| 部位別骨密度の相関 |
| デキサで測った部位別骨密度のいろいろな部位を測って、その間の相関を見る。もちろん相関はあるのですけれども、ただ年齢と共に相関が低下するということで、部位の相関はありますけれども、一つの骨の測定によって他の骨の骨密度を予測しうるほど高い相関ではない。個人個人によっては、例えば大腿骨の骨密度は鑑定すると骨粗鬆症と言えるほど悪くはないけれども、腰椎で測るとかなり低いということも実際にはありうるということです。 |
鑑別診断
| 続発性骨粗鬆症 |
その他の疾患 |
内分泌性
栄養性
薬剤性
不動性
先天性
その他 |
各種の骨軟化症
副甲状腺機能亢進症(原発性、続発性)
悪性腫瘍骨転移
多発性骨髄腫
脊椎血管腫
その他 |
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続発性骨粗鬆症というのが幾つかあります。
続発性というのは元になる疾患とか、あるいは医療行為、医療調薬とか、そのようなものがあって、それでその骨の密度が下がっていって、内分泌性というもののなかには例えば副甲状腺機能亢進症とか、副腎症候群とか、そのようなものがいっぱいありますし、栄養性といいますとタンパク結合とか、ビタミン結合とか、そのようなものがあります。薬剤性で一番有名なのはステロイドホルモンです。じっと寝ている必要があったとか、その他のところには糖尿病ですとか、リウマチとか、肝疾患とか、そのようなものがあります。そのようなバックグラウンドのある方は、その骨粗鬆症の治療に合わせてそのようなバックグラウンドに対する治療とか処置というものが当然必要になってくると。さらに大事なのがこっちであって、非常に頻度が低いのですが、見落としてはまずいなという部分があります。
いわゆる骨密度の低下を呈してくる骨粗鬆症以外の状態というものが頻度としては低いですけれどもありうる。その中で各種の骨軟化症、子供でしたらクル病ですけれども、成人になって発症してくる骨軟化症はいわゆる骨の石灰化障害です。骨粗鬆症というのは骨の密度が下がってきますけれども、基本的に骨の構成成分比、骨の皮膚タンパクとメラニン比というのはあまり変わらない。状態で全体として減ってくるのですけれども、骨軟化症というのは石灰化障害でミネラルの沈着していない涙骨と呼ばれるもののパーセントが非常に増えた状態。それで骨が脆くなると。
その他の副甲状腺機能亢進症から悪性腫瘍の骨転移なんかも普通はレントゲンで分かりますけれども、そのときに通常の骨粗鬆症と紛らわしいものがある。多発性骨髄腫もデュフーズタイプのものは時に間違うこともあるということです。 |
| 診断の糸口 |
骨軟化症の場合、骨軟化症があるのではないかと疑う要因としては、まず痛み、それから脱力、筋力低下などがあります。それから、骨粗鬆症というのは骨折を起こすと痛いですけれども、骨粗鬆症があるだけでは基本的には痛くないです。そのような痛みの問題、それから、やはり基本的に血清とかのカルシウム、リンを測るわけですが、前例ではありませんが、星状前因発症の骨軟化症の場合は血清のリンが下がっていて、アルカリフォスファターゼが上がっている症例が前例ではありませんということがあります。そのようなものが糸口になるということです。
副甲状腺機能亢進症は頻度は低いのですが以前から言われているほどは頻度が低くなくて結構あるらしいのです。典型的なものが血清のカルシウムが上がってきますから、それが疑う糸口になります。血中のiPTH、副甲状腺ホルモンをやはり一度は測っておく必要がある症例というのは結構あると思います。
臨床症状の注意点は、脱力とか、それから鬱状態、これは紅斑症血漿の便秘とかの症状があれば疑うとということです。
多発性骨髄腫については画像所見で分かる、何か普通ではないよというのがレントゲンを撮れば分かることが多いですが、やはり分かりにくいこともあります。内科の先生に聞きますと、やはり血清タンパクコンタックでまずスクリーニングするのが一番いいだろうというお話でした。
| 症例1 女性、1942.11.3生 |
| 主 訴 |
腰背部痛、円背変形 |
| 現病歴 |
1995年ころから腰背部痛あり、以後持続。1996年、他院で骨粗鬆症を指摘された。1997年になって急速に円背が進行した。1997年7月7日当科初診。 |
| 既往歴 |
1994年、閉経後に拒食症、円形脱毛症 |
鑑別診断の参考になる症例を、一つ、二つ、示させていただきたいと思います。
これは50歳代の女性の方ですけれども、53歳の頃から腰背痛があったと。骨粗鬆症という指摘がなされたのですけれども段々進行してきて、その後急速に円背が進行したということで、私たちの所にお越しいただいたという形です。
初診時に既に胸椎、腰椎に、多発性の圧迫骨折があります。骨の痛みなんかが結構強い。
腰椎の骨密度を測ってみますと、圧迫骨折があるからやや高目に出るにもかかわらず、若年成人平均の骨密度が57%とかなり低い値です。大腿骨近位部でもかなり低い値です。血液検査でアルカリフォスファターゼが非常に高い。リンが下がっている。%TRPというのは尿細管のリン再吸収率と言いまして、血中のクレアチリンリンと尿中のクレアチリンリンから関連法で計算できるのですが、90%ぐらいが普通なのですけれど、これも下がっているということで尿細管でのリン再吸収がやや下がっていてリンのロスが生じていて、それで血中の回収のリンの積が下がって石灰化の障害が起きているタイプの骨軟化症である。そのようなタイプの骨軟化症というのは、そのさらにまた原因というのがいろいろあって、そこから先がなかなか整形科医でも難しいのです。
結局、骨体腫専門の内科の先生なんかにもコンサルトして、本当の原因まではまだつかめていないのですけれども、その補充療法を行うことによって、ずっと続けていきますと骨密度も改善しまして、骨の痛みも取れて、その後は新しい圧迫骨折を起こさずに、数年経っていますけれども元気に生活をされています。
このようなタイプのリンの再吸収が阻害されている形の骨軟化症の成人例で、この方ではありませんけれども、もう少し軽症ですが、この数年でフェジンという鉄剤の静注剤が原因で骨軟化症になっていたという患者さんを2例ほど経験しました。もちろん貧血の治療として必要な場合は仕方がないですけれども、経口剤のお手伝いでも代用できる程度のものであれば、あまり長期に静注の鉄剤を使っていると、そのようなことも起こってくるようです。
| 腫瘍性低燐血症性骨軟化症oncogenic osteomalacia |
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・骨・軟部腫瘍に伴って低燐血症、高燐酸尿、骨軟化症を呈する疾患。良性腫瘍に多いが悪性例もある。
・肺癌、前立腺癌などに伴う報告例もある。
・FGF23:原因物質の少なくともひとつであるこつは確実。
・成人発症の低燐血症性骨軟化症の場合、腫瘍の検索が必要。 |
私の症例ではないのですけれども、県立尼崎病院の先生にお借りしたのですが、52歳の先生が診察した女性で腰痛を中心とする骨の痛みがあったと。やはりアルカリフォスファターゼが上がって、リンが下がっていて、リン再吸収率が下がっていて便秘であるとか。ボーダーラインですけれど、骨密度が低いという骨軟化症ではないかというので、いろいろ調べてみるとこれは真値で引っかかったのか、MRIで引っかかったのか、レントゲン写真では分かりにくいですけれど、ここにこのようにコストライッテックな変化がありまして、骨症があった。線維性骨異形成症という良性腫瘍ですけれども、現在は手術を受けられて改善しつつあるみたいだというように伺っています。このような症例も時にはあります。
次、お願いします。ということで、骨粗鬆症というのは非常に大事なのですけれども、思いこんでしまって、稀にある他の疾患を見逃してしまうということをしないようにということを、私は自分の使命という意味でひとえに思っているのです。
薬物治療の適応
| <骨量減少者> |
| リスク評価 |
< |
→ |
非薬物治療法による経過観察 → |
骨量急速減少 |
|
|
↓ |
| → |
高リスク者 → |
薬物治療 |
| <骨粗鬆症者> |
積極的に薬物治療を考慮
特に骨折高リスク者 |
→ |
薬物治療 |
|
骨粗鬆症に戻りまして、どのような症例に薬を飲んでもらうとか、骨粗鬆症への対処というのは薬がすべてではありませんし、生活習慣ですとか、食事、運動、その他総合的に対処すべきものだということなのですけれども、実際にどのような方に薬物を飲んでもらうのがいいかということですが、まず先ほど、診断基準で骨粗鬆症に該当する方というのは、やはり脆弱性骨折の一種が高いと判断して、何を薬剤として選ぶかというのは別の問題ですけれども、積極的に薬物治療の対象になるだろうと。
一歩手前の段階の人というのは基本的には生活習慣のチェックとかそのようなことをしながら経過観察をしていって、インターバルチェンジを見て、急速にさらに減少していくというようになったら、薬物を出してしまいましょうと。経過観察をしないでもリスクが高い、高リスクというのはどのようなことかと言うと、例えば、まだ55歳以前とか比較的若いのにそこそこ骨密度が低いとか、それから前のデータがあってその間の急速な低下というのが明らかであるということですとか、それから基礎の骨量減少をきたしやすい基礎疾患が必要以上飲んでいるとか、副甲状腺機能亢進であるとか、胃の切除を受けているとか、そのようなバックグラウンドのある方は骨粗鬆症一歩手前の段階でも積極的に薬物治療を開始しましょう。
それぞれの臨床の経験で多少これを理解してやっていけばいいのではないかなというふうに思っています。 |
骨粗鬆症の治療薬
・カルシトニン
・エストロゲン
・ビスフォスフォネート
エチドロネート
アレンドロネート |
・活性型ビタミンD
・ビタミンK2
・イプリフラボン |
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しばらく前まで米国では骨粗鬆症の治療としては圧倒的にHRTのシェアが高かったのです。
HRTとビスフォスフォネートが同じぐらいでトップを分け合っているような状態かというように聞いておりますが、骨量を増やすとか、それから骨折を減らすというようなエビデンツとしては、ビスフォスフォネートに比べて蓄積されている率は弱い。それは先行薬だからという、そこまで調べないというのがありますから、そのような不利があるので一概には言えないのですけれども、やはり弱いですし、骨量増強効果もおしなべてみるとビスフォスフォネートよりも高いだろうと思います。それともう一つは、リフラットに反応しない例という率が予想されたよりも当然あります。骨代謝が上がっている人に効きやすいわけですから、骨代謝カインというのも、エストロゲンもそうですし、当然反応しない例というのがあるわけですけれども、その率もややエストロゲンの血圧というものが高いのではないかなというような、いろいろな報告を見ていますとそのようになっています。
コンクライアンツの問題がありまして、HRTはそのような出血のこととかがありまして、患者さんによっては嫌がられると。もちろんビスフォスフォネートによっては橈骨部障害とかいうのがあって、それで嫌がられる。飲み方が面倒くさい、大変だということがありますから、どっちもどっちなのですけれども。あと、グレストキャンサーのリスクの問題。グレストキャンサーのリスクの問題も何人かの先生に伺ったり、文献を読んだりしますと、大体のところがネガティブリスクが1.3とか1.4とか。
ですから、HRTをやっていたならば、乳癌のチェックはかなり慎重にするでしょうから、そのような良さも加味すると、乳癌で死ぬという危険はHRTをやったからといってそれほど上がるわけではないというふうには思います。ただ、患者さんにはそれを伝えないといけないので、リスクが1.4になりますよと言ったならば、嫌がる人はやはり多いだろうというように思います。というようなことを総合して考えるとビスフォスフォネートのグループがかなり実用化されてきた現在としては、HRTも骨粗鬆症に対する適用としては、何らかの原因でこれが飲みにくいという方と、あとはやはり本来のHRTの目的、その閉経期の障害とかそのような適用もある人にさらに骨への効果も期待するというのが第一適用ではないかというように今の段階では思っています。
それから、セレクティブ・エソルデン・リセプター・モデファイヤー、サームというグループの薬が出てきますと、いまトップランナーで開発が進んでいる薬を、骨への効果はビスフォスフォネートほどは強くないらしいのですけれども、漏れ聞くところによると乳癌のリスクを逆に下げると。タモビッシュを飲んでいるみたいなものらしくて、下げるとかいう噂も聞きますので、症例を選ぶと非常にいい薬になるのではないかということが特に言われています。 |
| 活性型ビタミンD製剤の効果 |
骨粗鬆症に対して薬を飲んでもらう目的というのは、突き詰めて言えば、骨折のリスクを減らしたいということになるわけで、患者さんにとっては飲んでいて役に立っているのかどうかよく分からないというので続けるのは非常に難しいところがありますけれども、活性型ビタミンDについては日本を中心のデータなのですけれども、欧米ではビタミンDというのはネイティブのビタミンで、つまりビタミンDそのものとして投与されることが多いのです。活性型ビタミンDというのは、これが栄養を補給するという概念でとらえてはいけないので、やはりこれは薬である。
まず第一には腸管からのカルシウム吸収を投身する薬である。それによってカルシウムをより利用させようとする薬であるというように。幾つかのデータを見ていくと、その骨密度というよりは増やすほどまではいかない。何もしないよりは多少ましだけれど、増やすほどまでにはいかないというのが大体のところなのではないかと。ただ、日本が中心のデータですけれど、骨折抑制効果というのはプラスに出ているスタディが幾つかあって、やはり骨密度では説明できない骨折抑制効果がもしかしたらあるのかもしれない。なかなか難しいのですけれども。これについては、最近、海外の論文で本当に立証まではいってませんけれども、高齢女性に活性型ビタミンDを半年投与したならば、下肢の筋力が増強したというような報告があったり、あるいは転倒する回数が減ったということがあったりして、そのような骨密度を介さない骨折抑制効果というのがこの薬はもしかしたらあるのかもしれません。
活性型ビタミンDを投与する基本的なイメージというのはどのようなことかと言いますと、人間は年をとっていくとカルシウムの吸収とか利用効率が悪くなって相対的に副甲状腺機能の二次的な亢進状態になってきやすいと。それによって、骨の吸収が進んでしまう。そのような図式があるのです。
血中のその人のビタミンDの状態、ステイタスを表す一番スタンダードな指標として、活性型になる一歩手前の25Dというのがありますけれど、それの血中濃度と血中の副甲状腺ホルモンとの相関を見ると、比較的綺麗な逆相関、それから、そのビタミンDステイタスの低い、つまり、ビタミンDがやや不足状態にある人ほど血中のPTHが上がっているということです。それは年齢と共にややこっちのほうにシフトする傾向があるので、そこでビタミンDを補充してやることによって副甲状腺機能亢進症を押さえようという基本的な考えとしてあるわけです。
治療前のビタミンDの状態とそれで投与によってPTHの値がどう変わったかと見ると、治療前にビタミンDの状態、やや不足ぎみだったグループほど治療によってビタミンDの投与によって副甲状腺ホルモンの濃度の一定化が顕著に見られた。このようなグループはビタミンD投与する意味がどうもありそうだということになってきます。ただ、それとこのようなものが実際の日常の臨床で一回だけでもいいですから測れればいいですけれども、残念ながら今この検査は保険適用がないし、測れないです。ビタミンDの治療に向いた人とか、そのようなことを選んでテール・アンド・エンドというか、その個人個人に合わせた薬剤参加ということをしていくためには、そのような観点というのがこれから大事になってきます。それから、このことはビタミンK、グラKという薬がありますけれども、それについても言えるので、最近のデータを見ていると血中のシーカルムキルシルカオストカチンというものの値というものがその人のビタミンKの状態を反映していて、それが骨折リスクと関係しているというのがデータに出ているということです。そうすると、そのようなものが測れると、この人はグラK投与によってフェミニンというのが得やすい人だというようなことが分かってくるようになるかもしれません。 |
| エチドロネートについて |
最初に実用化されたのがエチドロネートというのは誰でも知っています。この薬は、骨吸収を阻害するのですが、石灰化抑制の作用が強いのでずっと投与していると石灰化阻害が起こって骨軟化症になってしまいます。ですから、ご存じのように2週間だけ投与して、10週間ぐらい休むというサイトリックなところに、そこそこ骨密度を上昇させるということです。
椎体骨折のリスクですけれども、ハイリスクの元々の出発点の骨密度の低い人はプラセボに比べて優位に脊椎骨折の発生率を下げたという例が出ていますが、これでビスフォスフォネートのハイリスクのデータが止まっております。これ以降より大きな規模でのきちんとしたスタディはありません。というのは、ビスフォスフォネートの世界がもうアレンドロネートとかエチドロネートに移ってしまったので、それ以後、追加データがないのです。もう骨粗鬆症に対してはエチドロネートの時代は終わったというように言う先生もいますが、ただ一つだけ言えるのは、間歇投与ならではのメリットというものが中にはあるので、先ほど言いましたビスフォスフォネートの薬というのは飲みにくいという面がありますし、それと人によっては消化緩衝剤など、そのようなときに3カ月の間に2週間だけ飲めばいいという薬がかえってコンプライアスメントより有利だという証言もありますので、僕はエチドロネートは残っていくだろうというように今のところは思っています。
これは私自身の経験ですが、腰椎の骨密度で測って、大体おしなべて2〜3%から3〜4%は上昇しております。当初はこのような骨にキレート結合として一部はずっと一生骨に残っていくような薬を投与するというのはかなり大丈夫かなと思っていたのですけれども、実際に投与してみると、やはりそれまで何回か椎体骨折を起こして痛みを繰り返して苦しんでいた人がその後大動脈が伸び始めて本当に痛みがなくなったというのを何例か経験して、やはり症例によっては非常に役に立った薬だというように思います。 |
| アレンドロネートについて |
欧米ではアレンドロネートが何年も前から一番使われていて、長期のデータがあるという意味で持ってきました。これは有名な論文でフィットサスというものですが、7年までフォローして継続した骨密度の増強効果があるということを示しています。日本では5mgです。
大腿骨頸部についてもビタミンを通常投与します。
フラクチャーリスクを下げるかどうかというのはメタナリスで見てみると総合的に考えてやはりプラスだということに比べて優位にフラクチャーリスクは下げそうだというようになっています。特に、椎体骨折でははっきりしています。大腿骨頸部の骨折についてはリセドルネイトでも分かるようにコントロールされてしっかりしたデータがあるというのは先ほどおっしゃった通りですけれども。リセドルネイトとアレンドロネートというのは、はっきり言ってどちらのほうがいいというようなものではなくて、同一ファクターの薬だというように理解していますという話です。 |
| ビスフォスフォネート世代の問題点 |
ただ、ビスフォスフォネート世代には問題点がありまして、一つは消化管への副作用。
英国のスタディなのですが、スタイドレンの周期的投与、2週間飲んで10週間休むと。それからアレンドロネートの漸次投与。どちらもこれは日本での同時よりも倍ですけれども、日本では200mg、欧米では400mg、日本では5mg、欧米では10mg。周期投与したものです。それだけに分けてずっと見ていると、骨密度への効果はアレンドロネートの漸次投与が一番良くて、その次がエチドロネートの間歇投与で、その次がアレンドロネートの周期投与ということです。その脱落例がやはりアレンドロネートの腰椎投与というのが結構あって、やはりそれが上腹部障害というか上腹部の症状が多かったというような結果が出てまして、そのような意味では飲み方など、早めにその人に対してこれが合うかどうかということを最初は密に来てもらってフォローしていくというようなことが大事なのではないかというように思います。
何カ月か前に英国のフーパーさんという骨粗鬆症の先生の講演会を聞いたときにそうであったのですけれども、英国ではガイドラインの間歇療法といって、エチドロネートの間歇療法というのが先行していてアレンドロネートが使えるようになったときもそれほどシェアがすぐにそっちに移行しなかった。アレンドロネートによる副作用の問題でなかなかすぐに移行しなかったという。1週間1回投与の製剤というのがスタディに欧米ではないということです。つまり、7日分を欧米でしたら70mg、日本だと35mgになりますが、それを一つの製剤にして1週間に1回だけ飲んでもらうと。骨への効果はほとんど変わらないと出ています。それが使えるようになってからずっとシェアがアレンドロネートのほうにシフトしてきたという話をその英国の人が伝えていましたので、ビスフォスフォネートのコンプライスを上げるにはそのような1週間分まとめてという製剤の利用、開発というのが一つの方向かもしれません。
長期的に本当にどうかということはまだ分かっていないところがあります。アレンドロネートの7年までフォローして骨密度は増えていって、蛋白性障害がないというのがこのデータに出てますけれども、骨折リスクの評価は何とか3年までです。その後、本当に骨折リスクが下がった状態が、ずっとプラスボと比べて同じような差でいくのか、それとも追いついてきてしまわないかと、それはまだ分かってないと思います。そこまでデータが無いと思います。
ビーグル犬を使った実験で、そのビーグル犬にコントロールと、それからアレンドロネートまたはリセドロネートを1年間投与するのです。ただドーズが対流閑散すると人への投与の5倍から6倍となる。それが少し問題になりますが、それを1年間投与すると、骨の中にマイクロクラック、小さな傷が蓄積してくるのだったと。強力に骨吸収を押さえることによって骨代謝回転が止まりますから、小さな骨量構造の中の小さなクラックが修復されないというようなことだと思います。このスタディにはもちろん批判があって、投与量が非常に多いですから、実際のシチュエーションを反映しないという批判が非常に高いわけで、実際には臨床で7年間まで問題なく経過しているわけですからというような主張が当然あるわけなのですけれども、ただずっとその骨吸収をできるだけ止めて骨代謝回転を止めた状態で長期間経過しているときに、本当に人間の体の中でもこれに近いようなことが起こってこないのだろうかと。それから、ビスフォスフォネートの投与という単位骨質当たりのミネラル量が上がるそうです。つまり、やや堅いビスフォスフォネートです。そのような要素も含めて堅いけれども脆いということになってきて、7年、8年、9年と経ってくると、骨折率も下げるというのはそれほど効果が続かないのではないかという気が少しだけあります。まだ、分かりません、これは。ですから、例えばある程度重複投与すると、しばらく休むというような投与方法がもしかしたらいいのかもしれない。これは今後の課題だろうというように思っております。 |
| 薬物治療での注意ー併用療法ー |
| 信州大学を中心とした他施設のプロスペクトスタディなのですけれども、例えばこれが骨粗鬆症に対してα活性型ビタミンD3とビタミンK、そのようなものを投与した人たちはコントロールに比べて骨折の発生率が急に下がる。そのような効果がどうもあると。それからダイドルネルの間歇投与、ビスフォスフォネートの間歇投与でも下がる。ビスフォスフォネートの間歇投与にビタミンDとKを併用すると、さらにどうも下がる。が、その活性型ビタミンD3とビタミンKを併用した症例というのはそれぞれの単独投与分よりも骨折リスクの減少効果が悪い。これは、今、もう少し症例が増えていてという報告をこの間の学会で伺いましたけれども、やはり同様の警告が続いているようで、少なくとも原発性骨粗鬆症については骨折リスクという観点で評価するならば、活性型ビタミンDとビタミンKのそれなりを併用しないほうがいい。併用するぐらいならどちらかを単独に使ったほうがいいということは言えるようです。 |
大腿骨頚部骨折の分類
T.内側骨折 (infracapsular fracture)
a:骨頭下骨折 (subcapital fracture)
b:中間部骨折 (transcervical fracture)
U.外側骨折 (extracapsular fracture)
e:転子間骨折 (intertrochanteric fr.)
d::転子貫通骨折 (pertrochanteric fr.) |
骨粗鬆症に後発する骨折の中でも、特に高齢者になるほど急速に増加するという傾向があります。今後、老齢化社会に伴って、他の骨折に比べて発生数がさらに上がるだろうと予想されます。
整形外科の話を少しさせていただきます。
内側骨折と外側骨折とに分けられます。欧米では大腿骨頸部骨折と言ってややこしい感じですけれども、内側骨折のことです。外側骨折は別のインタートロカントリーストラクチャーとかトエトロカントリーストラクチャーというように言って、センモラルデストラクチャーと言うとこっちのことになります。日本では全体を大腿骨頸部骨折と言って内側・外側というように言います。けれども、どこが違うかといいますと、関節包の中で折れるか外で折れるかです。中で折れると、関節の中ですので外骨膜が無いのです。という意味で骨の流動に対して不利な状況です。
もう一つは、骨頭に行く血管があります。それが内側で折れたときにはかなりの率で痛んでしまう。骨頭の柄の血流が阻害されてしまう。
そのような意味で内側骨折というのは、一言で言うと骨が着きにくい。外側骨折というのは血行の豊富なところで、骨折の直接の体に対する影響としては非常に大きな骨折なのですけれども、骨の着きやすさという意味では有利な骨折です。そのようなところが違います。
これが大腿骨骨頭の栄養動静脈で、こちらの旧外側のリガメントを介して、子どもはこれが多いのです。成人になってくるとほとんど無くなってきます。こちらから来るのとか、こちらから来るのは残っているのかというのがどれぐらいのパーセントで混ざっているかというのは、個人差があります。ですから、この血管が切れたときに、どのぐらいの範囲の骨が血流不全が全身に移るかというのは非常に個人差があると。ここで折れて、骨が治って着いても、壊死に陥ったがために1年後とかに潰れてくるところがある。レイトセルメンタルクラスフトですけれども、そのようなことがあって、もう1回手術しないといけないということが起こりうるのが内側骨折であります。
この内側骨折はこのようにずれているかどうか、その他によって完全骨折であるか不完全骨折であるか。完全骨折はずれているかどうかによってこのようにステージを分けておりまして、
基本的に引っ付きにくくて、引っ付いた場合、将来そのような骨頭壊死によるクラックスの問題が起こりうるということがあるので、特に高齢の人は早く離床させるというのが急務ですので骨を着けることを諦めて、特に最初からずれているような骨折は、骨頭を取り出してしまって、人工骨頭に置き換えるというのを選択される場合があるということです。それに対して若い人とか、まだずれが少ないものは骨がまだきちんと着いてくれて、クラックスを起こす確率も低いので、骨を引っ付けようという努力をするという傾向にあります。これは大体の目安であって、ステージ1とか2でも本当に高齢者であればとにかく早く動かすために人工骨頭を最初からすることもよくあります。
内側骨折は、最初から人工骨頭に置き換えます。
外側骨折の場合は、整復交叉をしてなのですけれども、ふつうはこのような滑接合があって、ここの骨折の治療をするのです。できるだけ強固に固定して何せ早く離床させたい。それが第一の目的ですので、大腿骨頸部骨折を起こしたら一部の症例を除いてほとんどが手術適応だと考えていいと思います。手術は確かにリスクが高い高齢の患者さんが多いのですけれども、手術をしないで寝かして置いたら、そのことが非常にハイリスクですので、手術をしないと仕方がないという場合がほとんどです。 |
| 大腿骨頸部骨折後の死亡率 |
大腿骨頸部骨折後の死亡率はいろいろな報告がありますが、大体1年で10%少しぐらい、5年になって先ほど半分となっていたとおっしゃっていましたけれど、そのようなもので、さらに大腿骨頸部骨折を切欠にして死亡になってしまうデータがやはりあると。ですから、できるだけ防ぎたい、減らしたいという骨折であるわけです。
リスクファクターの話ですが、簡単に言うとこれはヨーロッパと日本と同じ質問表を使って、少し日本用のはモデファイしたのですけれども、生活習慣による大腿骨頸部の起こしやすさ、ケースコントロールを調べられたのですが、体格が大きい人ほど起こしにくい。太った人は大腿骨頸部が起こしにくい。太っているから骨にいつも刺激がかかっていて鍛えられているかもしれませんし、転倒したときにクッションがいいのかもしれません。ヨーロッパと日本で共通のファクターで有利さが出たのはこれだけです。
あと、牛乳なんかも日本でもぎりぎりで出なかったらしいのですけれども、頚部骨折の起こしやすさのリスクファクターにも地域による差とか、あるいは人種による差というのがあるのかもしれません。
鈴木先生のですけれども、いろいろな疫学調査をおしなべてみて、どうも日本的生活習慣というのが、例えば畳に寝て、布団の上げ下げをするとか、魚をよく食べるとか、豆腐をよく食べるとか、納豆を食べるとか、そのようなものですけれど、そのような生活習慣の人のほうが、いすに座って、ベッドに寝て、肉とかをたくさん食べている人に比べると大腿骨頸部骨折は起こしにくいということがどうも疫学調査では言われています。一つあるのは、人種差ということでは西洋人が大腿骨の頸の長さが長いので、日本人に比べてさらにこれが起こしやすいということが言われています。 |
| 大腿骨頚部骨折を引き起こす転倒について |
通常の転倒、立った高さからの転倒、ベッドから落ちたとか、普通の若くて元気な人だと折れない程度の骨折の転倒であるのが圧倒的に多いです。中には交通事故ですからとか、高所からの転倒とか転落とか、そのようなものがあると。はっきりと転倒してないことは確実なのに折れてたというのも中にはあります。立っているときに急に痛みを覚えるとか、それから介護の人が少し触っただけで折れる。そのような場合は内側骨折が非常に多いということが言えます。
歩行時が圧倒的に多いのですけれども、幾つか着脱するのもあります。
転倒方向というのはやはり後ろとか側方に向けて転倒した場合に多く起こっています。
どこを一番強く打ったかということでは、大転子というのは大腿骨の横の所ですけれど、そこの所を打撲するという場合があります。必ずしも大腿骨頚部骨折というのは打撲したから起こる、全例がそうだとは限らないで、立っているだけでも折れる人がなかにはいますし、転倒するときに捻るせいで折れるのがありますけれども、かなりの大多数が大転子、横の所を打って、それの衝撃で大腿骨頸部骨折を起こすことが多い。 |
| 骨折防止の為の試み |
| 大腿骨頚部骨折の予防 |
| ・骨強度(≒骨密度)の維持、改善 |
生活習慣の改善(職s時、運動など) |
| ・転等の予防 |
内的因子
外的因子 |
| ・転等時の衝撃の緩和 |
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大転子のところですけれど、もし転倒してしまったときに保護しようという試みがこの10年来されています。プロテクターで保護するようなパンツをはく、これはフィンランドの最大の老人ホームでのコントロールスタディですが、プロテクターを装着したグループはかなりの層ですが、グループは装着していないグループに比べて大腿骨頸部骨折の発生率が2年間で約60%減少しています。こちらのグループでも実際に骨折した人は、かなりの人が装着していないときに偶々転倒した場合が多いということです。
日本でもいろいろな製品が売られています。ポリプロピレンのパンツを入れるようなのとか、ただ、これは保健は効きませんし、結構高いのです。
名古屋の原田先生という方が、これも日本の老人ホームで備えられてまして、着けるグループ、着けないグループで分けて2年間追っかけていますと、スラクチャレートが違う。実際に転倒した人だけで比べても、着けないグループ、着けるグループで大腿骨頸部骨折を起こしてくる確率が違うということは、確かに予防効果はあるようです。このような老人ホームというのは非常に管理と言ったら言葉が悪いですけれどもコントロールしやすい環境だと、このような物を使うことによって大腿骨頸部骨折を減らすという効果を上げることが確実にどうもできそうです。
ただ、実際の地域社会といいますか、外来に来る人たちを対象にしてこのようなことをやろうと思いますと、やはり本当にお金を払ってそれをきちんとはいてくれるかなという、その人が痛くも痒くもないわけですからそんな面倒なことをあまり普通は人間はしません。実際にどれぐらいの人が買ってはいてくれるかなということを調べてみますと、28人の人にお勧めしました。 |
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転倒による大腿骨頚部骨折の危険性 |
頚部骨折を生じた場合
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手術の必要性
歩行能力、移動能力低下の可能性
寝たきり状態や生命への消えkんの可能性 |
| Hip protectorによる予防効果 |
装着によりリスクが50〜70%低下
24時間装着が原則 |
| 価格、購入方法 |
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| 大腿骨頚部骨折の予防 |
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転倒による大腿骨頚部頚部骨折の危険性 |
骨強度(骨密度)の維持、改善
生活習慣の改善(食事、運動など)
薬剤による治療
転倒の予防
内的因子
外的因子
転倒時の衝撃の緩和 |
頚部骨折を生じた場合
手術の必要性
歩行能力、移動能力低下の可能性
寝たきり状態や生命への危険の可能性
Hip protertorによる予防効果
装着によりリスクが50〜70%低下
24時間装着が原則
価格、購入方法 |
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日本で販売されている、大腿部をプロテクターで保護するようなパンツの購入を、1回だけお勧めしました。「あなたは骨粗鬆症と言える状況なので、転ばないと思うけど転んだらあのような骨折が今度起きる危険性があって、もし起こしたらまず大概の場合は手術が必要になると。そうすると、手術で治療がうまくいっても今よりも歩く能力が落ちたり、最悪の場合は寝たきりになったり、命が危なくなることがないわけでもないと。これをはくと、もし転んだときにこのような骨折を起こすリスクが下がりますよ。そのような目的なので、基本的には一日中はいているのが原則ですよ。」という説明を1回だけやって、この製品の価格は実は9,500円します。高いですけれども、そのようなことを説明して、次の2カ月、3カ月後ぐらいの外来のときに、「どうされましたか」ということを聞いてみました。
買った人が半分、買わない人が半分で、買わない理由は「自分は大丈夫だろう」、「そんな面倒臭そうだから嫌だ」というのがほとんどです。価格はあまり問題ではないようです。
実際に買った人も一日中24時間着けてるという人はおられなくて、1日のうちの一部分の時間に着けている人が64%です。買ったけどやはり不便ではいていない人が1/3ぐらいだという状況なので、やはり実際の臨床の場で効果を上げるというためには、快適さの面の改善とか、価格の面の改善とかが大部分です。
結局、大腿骨頸部骨折というものの重大性と、それから自分がそれを買ったことの面倒さとか、あるいは自分は転ばないだろうというような予想との天秤にかけて、はいていないという人が多いので、そのような意味では頚部骨折というものについてのリスクとかその重大性についての一般的なPR活動というのがまだまだ要るのではないかなとも思ってます。 |
骨粗鬆症診療の注意点
除外診断をおろそかにしない。
最終目標は骨折の予防であることを念頭に置く。
骨密度測定法の特徴と限界を理解する。
病態や程度に応じた治療法の選択を考える。
各薬剤の副作用に留意する。
薬剤の併用によってマイナス効果がありえることを認識する。
日常生活指導をできるだけ個別化、具体化する。 |
除外診断、鑑別診断をおろそかにしないということが一番大事だろうと思います。最終目標は骨折の予防であるということを考えています。数字を直すためにはやっているわけではないのですけれども、もちろん直接出てくるのは数字ですからそれは大事なことなのです。
骨密度測定の進歩はしていますけれど、完全なものではなくて、いろいろヒットホールがあることも知っておく必要があるかと思いますし、これが将来、いろいろな検査とか出ているようになって、その人の病態とか程度に応じて治療の選択をもっとスペシフィックにできるようになったならいいというように思います。男の人の話はほとんどしませんでした。
それから、やはりどのような薬剤にでも副作用があります。活性型ビタミンDのときに言いませんでしたけれども、活性型ビタミンDというのは比較的安全なのでかなり無警戒に使われている面もあるのですけれども、やはりカルシウムを体の中に無理やり入れる、無理やりと言うと語弊がありますが、入れる薬ですから高カルシウム尿症になって結石ができると。それから高齢者でやや腎不全になりかけている人には活性型ビタミンDとカルシウムを同時投与すると、腎障害の進行を助長するという説もありますので、そのような形には注意が大事で、特に一番分かりやすいケースは尿中のカルシウム濃度をクレアチン比でチェックしていて、0.3を越えてくるようだとビタミンDの量を下げるとか、あるいは、やめるとかそのようなことをしながら調整をしていく必要があるというように思います。
結局骨粗鬆症そのものは基本的には万人に起こる加齢変化であって、それが直接命にかかわるということではないわけですから、その骨粗鬆症の治療のためにより重篤な状態を引き起こしてしまったのでは何をしていることか分かりませんので、そのような観点というのは必要だろうと思います。
それから併用によって逆に、先ほどのビタミンDとビタミンKみたいなのはどうもどうもあれよということで注意をすることが大事です。
それから薬だけが治療ではありませんから、その人の状況に応じて、これ私は忙しくて全然できていないのですけれど、個別化して具体的に指導するようになれたらいい。
骨粗鬆症外来を長年やっている先生に伺いますと、外来にいつも万歩計を用意しておいて、患者さんには全員それを渡して、まずその人が普段の生活でどれぐらい歩いているかということをチェックして、この人だったらもう何歩ぐらい歩いたらいいかということを、小まめに指導をすることは大切です。 |
| まとめーされど骨粗鬆症ー |
骨粗鬆症そのものというのは、程度の差はあれ、万人に起こってくる。ですから、そのことそのものであまり大騒ぎする必要はないだろうと。医者の医療側の価値観をあまり患者さんに押し付けてもいけないのではないかというように思います。
しかし、実際に、例えば私なり、私の家内なりが80とか85まで生きるとして、それで骨折を起こして痛い目をするよりはしないほうがいいですし、それから大腿骨頸部骨折が火付けになって死ぬよりは他の死に方をしたいだろうと思いますので、実際に介入をしていくことによってそのようなリスクを減らしえるんだという時代に段々なってきてますから、やはりたかがなんてばかりを言っていないで合理的に、かつ冷静に考えて対処をしていく状況ではないかというように考えています。 |