| 「Women‘Health−骨粗鬆症を中心に−」 京都大学医学部 内分泌・代謝内科 小松 弥郷 先生 |
| 骨粗鬆症の定義 骨粗鬆症とは骨強度の低下により、骨折のリスクが高くなる骨の障害であり、骨強度は骨密度と骨質の両者により定義される。(2000年NIHコンセンサス会議より)(図1) |
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| 女性の各年代における骨量の問題点 | |||||||||||||||||||||||||||||
| 1)若年期、 若年期における女性の骨量の問題点として、無月経があげられます。原発性無月経50数例、続発性無月経60数例の検討から、原発性無月経の腰椎骨密度は初診時無治療群ではT値が77%と骨量減少症の状態を示していました。続発性無月経ではT値が91%でやはり低下を認めました。原発性無月経患者に対するカウフマン療法を行った結果、治療後6カ月後には約4%、12カ月後には7%、2年後には12%。3年後には14%とエストロゲンを補充することによって骨量の急速な回復が認められることが明らかになっています。 2)妊娠・分娩・産褥期、 妊娠中の骨量についてはレントゲンを使った骨量測定が妊婦では困難なことからヒトでの報告はほとんどありません。妊娠中には必要なカルシウムの量が増加しますが、そのことは必ずしも骨量の減少につながらず、胎盤でのビタミンDの活性化等の機序によりカルシウムの取り込みを上昇させる結果、妊娠中の骨量減少は通常それほど問題にならないと考えられています。むしろ実際に骨量が減るのは産褥期で、授乳女性では産褥期の骨量減少がおこります。5カ月間母乳栄養を行った場合には、出産6カ月後に骨量が腰椎で約5%低下し、大腿骨頸部でも同様に低下しました。一方、母乳栄養の期間が短かった群においては骨量減少は認めておりません。 |
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| ところが、母乳栄養群でも出産12カ月後には腰椎、大腿骨骨密度はともに急速に回復を認めました。母乳栄養期間中、一般的に一日に200mgのカルシウムが母乳に移行するので、カルシウムを経口で一日1g補充したところ、授乳群の6カ月後における骨量の減少はカルシウムを補充により回復しないことが報告されています(図2)。このことは授乳中の骨量減少はカルシウム喪失が原因ではなく、産褥期における卵巣機能低下によるエストロゲン低下の影響が大きいことを示唆しています。 | |||||||||||||||||||||||||||||
| 3)閉経・老年期 老年期閉経後女性の骨粗鬆症が老齢人口の増加とともに社会的にも大きな問題になっています。以降は老年期骨粗鬆症を中心にお話します。 |
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| 骨塩定量法と臨床応用の進歩 | |||||||||||||||||||||||||||||
| 骨粗鬆症の診断に一番有用なのが骨量測定です。骨量測定機は2000年現在日本では約1万台普及しており、そのうちDXAと呼ばれる放射線を使った骨塩定量測定機が多くを占めています。超音波法についてはまだ評価が確立していないのが現状です。MD法、またはCXD法はレントゲン撮影装置さえあれば診療所でも特別な機械がなくても簡単に測定できる方法で、第二中手骨骨密度をアルミの階段板と比較し定量化します。 手で測る方法と、腰椎や大腿骨で測る方法との比較 症例:57歳男性、副甲状腺腺腫摘出症例の骨量の変化を示しました(図3)。 |
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| この症例の腰椎骨密度は非常に低くT値=60%台だったが、副甲状腺腺腫つまり上皮小体腫瘍を摘出後、急速にT値=82%まで回復し、増加率は年15.6%に達しました。一方、橈骨骨密度は術前T値=50%程度だったのが、術後T値=57%まで回復し、増加率は年6.8%でした。この症例では橈骨骨密度の低下は腰椎と比べるとより強く、回復も遅いことがわかります。この差の原因は骨の構造に違いによると考えられています。 | |||||||||||||||||||||||||||||
| 骨には海綿骨と呼ばれる網目状の骨梁構造を持った骨と、皮質骨と呼ばれる管空状の構造を持った骨の2種類が存在し、全身の骨は海綿骨と皮質骨が様々な割合で構成されています(図4)。 腰椎は海綿骨約60%、皮質骨約40%の割合ですが、第二中手骨、橈骨は90%以上が皮質骨でできています。 |
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| 海綿骨と皮質骨では代謝が異なっていて、海綿骨の割合の高い骨は骨代謝が盛んで、閉経期の骨量減少が現れやすく、治療による骨量の増加も大きいため、骨粗鬆症の診断、治療効果判定に適しています。一方、皮質骨の割合の高い骨では同じように評価することはできません。 | |||||||||||||||||||||||||||||
| 現在の骨粗鬆症の薬物療法の選択について | |||||||||||||||||||||||||||||
| 現在(2003年度)の骨粗鬆症治療薬のシェアではビスフォスフォネート:32%、活性型ビタミンD3:33%、とこの2剤で全体の65%に達し、残りがビタミンK、カルシトニン等になります。従って、ビスフォスフォネートと活性型ビタミンD3が現在の骨粗鬆症治療の主役であると言ってもいいと思います。それでは私が実際に経験した症例を挙げて、ビスフォスフォネート製剤の適応について考えてみたいと思います。 症例:73歳女性 原発性骨粗鬆症(図5) |
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| 初診時、腰椎骨密度T値=69%、大腿骨骨密度T値=62%、橈骨骨密度T値=57%であり、ビスフォスフォネートによる治療を開始しました。一年間の治療で腰椎では年6.95%、大腿骨で年6.6%、橈骨で年2.0%の増加を認めました。骨代謝マーカーである尿中NTXは投与前は35.8nmolBCE/mmolCrから治療開始後には20.5、27.7と−43%、−23%の低下を認めました。ビスフォスフォネートによる治療が奏功した例と考えています。 | |||||||||||||||||||||||||||||
| 症例:85歳男性、食道潰瘍発症 糖尿病にて治療中、骨粗鬆症に対し、ビスフォスフォネート投与開始2週間後に血痰・嚥下時疼痛が出現し、上部消化管内視鏡検査にて、食道上部に全周性に多発性潰瘍を認めました。投薬中止後約1週間で症状は消失しました。特に第二世代、第三世代のビスフォスフォネートは薬物の構造上ニトロ基を有しており、このため粘膜刺激性を持ち、食道粘膜に薬剤が付着すると潰瘍形成することがあると報告されています。ビスフォスフォネートを内服する場合には必ずコップ1杯の水でしっかり薬を飲むようにと指導することが大切であることを再確認した症例です。尚、食道狭窄またはアカラシア等の食道通過障害のある患者では禁忌となっています。 |
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| 症例:77歳女性、食道裂口ヘルニアがあり、腹部膨満出現 66歳の時、脊椎圧迫骨折と診断され、148cmあった身長が138cmと10cm短縮しました。2001年12月からアレンドロネート投与を開始しました。2003年6月コルセット新調後、左下肢に浮腫が出現したため装着中止しましたが、このころより腹部膨張が出現し、腹囲が78cmから96cmと18cm増加し、吃逆頻回のため会話が困難となりました。 |
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| この時点で身長は135cm、強度の円背を認めました。胸腰椎のレントゲン上、Th9, Th12, L1, L4に圧迫骨折を認め、腰椎骨密度T値=51%、大腿骨頸部T値=52%と非常に低下していました。腹部CT上、巨大な食道裂口ヘルニアを認めました。アレンドロネート中止後、次第に腹部膨満感や吃逆は改善しましたが、PPI投与を継続しています。 | |||||||||||||||||||||||||||||
| 症例:61歳女性、骨吸収抑制効果があまり強くなかった 前治療薬としてはアルファカルシドール、活性型ビタミンD製剤を0.5μgを2年6カ月投与受けていました。身長149cm、体重46kg。X線所見では骨折なし、腰椎骨密度T値=57%、大腿骨頸部T値=68%と低値であり、2001年12月よりアレンドロネートの投与を開始しました。1年半の経過にて腰椎骨密度増加率は年0.37%、大腿骨骨密度は−0.4%とほとんど変化ありませんでした。骨代謝マーカーの尿中NTXは開始前26.1、開始後27.0、40.6、32.2、38.8と低下を認めませんでした。この症例は薬の内服等に関してもよく理解し、外来通院も定期的にされている方ですが、アレンドロネートの骨吸収抑制効果がはっきり確認できませんでした。このようにビスフォスフォネートに関しての評価は一応定まってきて、一般に骨量増加作用は強いが、投与する症例をある程度選択する必要があると考えています。 |
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| 女性ホルモン補充療法(HRT)に関する最近の報道 | |||||||||||||||||||||||||||||
| ここで女性ホルモン補充療法(HRT)をめぐる話題ということで少しお話をします。エストロゲン欠乏に伴う諸症状として月経異常から自律神経障害、精神神経症状、泌尿生殖器萎縮症状、高脂血症心臓血管疾患、骨量減少、骨粗鬆症と年代順に起こってくることが知られています。その治療としてHRTが行われていますが、これに関してWomen`s
Health Initiative(WHI)という大規模研究の結果が発表され、注目を集めました。 目的:健康な閉経後女性における疾患の発症予防対策を総合的に評価する 内容:子宮のある閉経後女性16,608名(50−79歳)に対するHRTとプラセボ比較の大規模前向き臨床試験主要評価項目:冠動脈疾患、浸潤性乳癌の発症 順次評価項目:脳卒中、肺塞栓、子宮内膜症、結腸・直腸癌、大腿骨頚骨骨折及び死亡 結果(2002年の中間報告):リスクとベネフィットを評価 浸潤性乳癌があらかじめ設定したリスクの範囲を逸脱 総合評価においてもリスクがベネフィットを上回る可能性判明→2002.07 HRI試験中止 WHI報告の結果 対照群と比較したHRT 群における相対ならびに絶対リスクとベネフィット (相対 量=16,608、対照群=8,102、10,000人/年)
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| 新しい骨粗鬆症治療薬−SERM (Selective Estrogen Receptor Modulator) | |||||||||||||||||||||||||||||
| エストロゲン作用の模式図 (図7) | |||||||||||||||||||||||||||||
| 標的細胞において細胞質を通って核内にエストロゲンが移動し、エストロゲン受容体に結合してエストロゲン応答領域を持つ遺伝子の発現調節が行われます。この遺伝子発現調節の結果、エストロゲンの場合には一定の作用が決まっています。一方、SERM(Selective Estrogen Receptor Modulator)はエストロゲンと同様にエストロゲン受容体に結合しますが、細胞において作用が異なります。 | |||||||||||||||||||||||||||||
| ある細胞においてはエストロゲンと同様のアゴニスト作用を発揮し、一方別の細胞においてはエストロゲンと拮抗するアンタゴ
ニスト作用が前面にでます。それらの差異には細胞の核内に存在するコファクターが関与することが明らかになってきています。つまり、促進因子であるコアクチベーターを活性化して骨ではエストロゲンと同様の作用を示し、一方、乳腺の細胞等ではコリプレッサーが作用して、情報転写阻止に働きます。 第一世代のSERMとして、乳癌の治療剤として用いられているタモキシフェン、トリフゼンがありますがラロキシフェンと構造的にはかなり異なっています。 MORE(Multiple Outcomes of Raloxifene Evaluation) 多施設共同プラセボ対象二重盲検無作為並行群間比較試験 ・25カ国、180施設、3年および1年延長80歳以下の閉経後骨粗鬆症女性7705例 ・平均年齢66.5歳塩酸ラロキシフェン60r、120r、プラセボ ・全例にカルシウム(500r)とビタミンD(400−600lu)を補給 主要評価項目:非椎体骨折、心血管系、乳癌、子宮に対する安全性、QOL、認知機能等 この治験の特徴として既存椎体骨折の有無の2群に分けたこと、対象年齢が比較的若いこと、症例数が非常に多いこと、が挙げられます。 |
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| ラロキシフェンの骨代謝マーカーに対する作用を見ると強い骨吸収抑制効果が認められます。この作用はHRTでもすでに確認されており、ほぼ同様な効果と考えられます。新規の骨折発生頻度は、ラロキシフェン投与群では「既存椎体骨折無群」において55%、「既存椎体骨折有群」において30%骨折の抑制が認められました(図8)。 | |||||||||||||||||||||||||||||
| 骨のリモデリングは破骨細胞による骨吸収化と骨芽細胞による骨形成というサイクルで行われますが、骨強度が骨密度だけでなくて骨質にも依存することが明らかとなってきました。骨質を定量評価する方法はまだ確立していませんが、マイクロCTにおける三次元骨梁の解析では骨梁幅、骨梁間距離、骨梁数というパラメーターにて評価をする方法があります(図9)。 |
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| 骨吸収抑制剤による適切な骨代謝回転抑制範囲 骨代謝回転の過度な抑制 ・微小骨折の蓄積 ・過度な石灰化による骨髄弱性の増大 骨代謝回転亢進 ・力学的負荷に対する脆弱性の増大 ・骨梁の穿孔増加 ・骨梁の断裂 |
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そのほかにラロキシフェンの作用をデータとしてあるものを少しご紹介しておきます。 子宮内膜肥厚に対するラロキシフェンの影響を見たものです。エストロゲン投与では3カ月後から子宮内膜厚が有意に増加するのですが、プラセボ群とラロキシフェン60mgでは差がありませんでした (図10)。 |
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| MORE 試験は乳癌についても4年間の検討を行っていますが、プラセボ群に対してラロキシフェン投与群では発生頻度が低下している傾向が認められました。ただし、乳癌の発生数が77例と少ないため、この結果からラロキシフェンに乳癌の抑制効果があると結論づけることはできず、現在、引き続き検討が進められています。 乳房に対するラロキシフェンの影響の要約 ・4年後のラロキシフェンにおける浸潤性乳癌の発生率は1,000例あたり1.3、 プラセボ群では4.7。 ・4年後のラロキシフェン群におけるエストロゲン状態を腺乳癌の発生頻度は 1,000例あたり0.5、プラセボ群では3.7。 ・乳房痛を増大させない。 ・乳腺密度を増大させない。 ということで、これに関しては合計35,000例以上の女性を対象とした三つの大規模な臨床試験で、アメリカに引き続き評価されています。 ラロキシフェンの脂質代謝に与える影響については、MORE 試験では総コレステロールはプラセボ群に対してラロキシフェン、HRTともに低下作用がありました。最近報告されている動脈硬化の指標になる高感度CRPはラロキシフェンではプラセボ群に対して−6%とやや低下したのに対し、HRTでは逆に増加を認めました。 MORE試験における心血管系の危険因子に対する影響の要約 ・全患者、冠動脈性心疾患/脳卒中の危険因子によるリスクが高い患者群、 あるいは冠動脈性心疾患を有する患者群のいずれかにおいても、冠動脈性 心疾患/脳卒中の早期における発生率の上昇は認められなかった。 ・冠動脈性心疾患のリスクの比較的低い患者群において、冠動脈性心疾患 /脳卒中のリスクの有意な変化はなかった。 ・冠動脈性心疾患/脳卒中の危険因子によるリスクが高い患者群、および 冠動脈性心疾患を有する患者群において冠動脈性心疾患/脳卒中の発生率 (40%)および致死的および非致死的脳卒中発作の発生率(62%)が統計学的に 有意に低下していた。 |
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| 甲状腺中毒症におけるに二次性骨粗鬆症発症機構の検討 | |||||||||||||||||||||||||||||
| 甲状腺機能亢進症は女性に多いもので、婦人科の先生方もご覧になる機会は多いと思います。甲状腺機能亢進症においては著しい骨吸収の亢進で高回転型の骨粗鬆症をきたすことが知られています。その骨吸収亢進作用のメカニズムはいまだ不明なため、われわれは検討を行いました。 | |||||||||||||||||||||||||||||
| マウスの骨芽細胞という骨を作る細胞に甲状腺ホルモンを添加して、破骨細胞誘導を制御するRANKLE・OPG・MCSFの骨芽細胞における発現を検討したところ、甲状腺ホルモンはこれらの因子の発現に影響し、破骨細胞を誘導することが明らかになりました。実際に破骨細胞を染めてみますと、甲状腺ホルモンを加えると赤く染まる多核の破骨細胞が増えていることが分かります(図11)。 | |||||||||||||||||||||||||||||
| 新しい軟骨成長因子の発見と臨床応用(基礎) | |||||||||||||||||||||||||||||
| 新しい軟骨成長因子の発見とその臨床応用というテーマについて現在大学で研究していることについてご紹介します。マウスの頸骨培養においてCNPというペプチドホルモンを添加した骨が非常に大きくなっていること、特に両端の軟骨部分が大きくなっているということが分かります(図12)。 | |||||||||||||||||||||||||||||
| CNPの遺伝子を潰したいわゆるノックアウトマウス作り実験したところ、そのマウスがコントロールに比べて非常に小さいマウスになりました。実際の骨の長さを測ってみますと、骨が非常に短くなっていることが分かりました。 | |||||||||||||||||||||||||||||
| 軟骨形成不全症(軟骨異形成症)の治療に応用 ・最も頻度の高い先天性の短駆症 ・大体1万人の出生率あたり0.5から1.5と言われる。 ・常染色体優性遺伝でするのですけれども、3型FGF受容体の異常が同定されている。 ・現在の治療としてはイリザロフ創外固定器を用いた足延長術が低身長の治療として行われている。 ・ほかに有効な治療というものがないのが現状であり、成人しても身長が大体130cmぐらいしかならないということで、その治療法というものが望まれている。 |
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実際に軟骨形成不全症のモデルマウスにCNPを過剰発現させてやると、大きくなり正常マウスと同じぐらいの体長になりました。このモデルマウス(Ach)から取ってきた骨を培養しCNPを添加すると正常マウスと同じぐらいまで大きくなりました(図13)。 |
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| このメカニズムについての研究は昨年末に新聞でも報道されたのでご存じの先生もいらっしゃるかもしれません。 | |||||||||||||||||||||||||||||
| 京都新聞2003.12.16News 低身長症に「CNP」が効果 成長期に背が伸びない低身長症の一種「軟骨形成不全症の治療に、血圧を下げる働きのあるホルモン「C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)が効果があることを、京都大学医学研究科(内分泌代謝学)の中尾一和教授、小松弥郷助手らのグループがマウスを使った実験で解明した。健康な人の身長を伸ばすことも可能になりそうという。米科学雑誌ネイチャー・メディシン電子版で12月15日、発表した。 |
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| 質疑応答 | |
| 司会 | 質問はございませんか? |
| 質問 | 骨粗鬆症治療は産婦でも非常に注目されていることです。我々は一概に第三世代のアレンドロネートを使っているのですけれども、食道だけではなくて胃の粘膜も侵される。飲み方として大量に水を早朝に飲んで30分以上じっとしていないといけないということを注意書きには書いてあるのですけれども。私のところでも1〜2例投与している患者がおりますので、何もしらないで投与ということは大変恐いなと思っています。 |
| 小松 | 胃潰瘍が発生する頻度というものは非常に低いと言われています。胃酸のある状態で胃粘膜は保護されていますので、胃の中で内服した薬が一定の場所に留まって、粘膜にぴったり付着して障害を起こすということは可能性として非常に低いからです。ですから、胃粘膜に対する障害というものはあまり問題にする必要はないと考えています。もちろん胃がもたれる等、胃腸障害というものを訴える患者さんはある程度の割合でおられます。ただし、その人たちに胃カメラ等で検査をしてみてもはっきりとした胃潰瘍をきたしている症例は低いと報告されています。ただし、食道粘膜に対しては、食道に留まって粘膜に接着したような場合、潰瘍等をきたす場合があるということで、やはり立位あるいは座位を保つということは非常に重要なことだと理解を求めます。 |
| 質問 | 我々のところにはあまり骨粗鬆症というのは経験がないのですけれども、以前研究会に出た時に、ビタミンDとKがよく使われているというと講演されていましたが、小松先生のお話では結構アレンドロネートを半々ぐらいに使っているということでした。現実、科によって使う薬はいろいろ違うかもしれませんが、これから我々がHRTをやっていくうえで、いろいろな患者さんに遭遇します。そこでそれぞれの科によって投与の状態はどのように違うのでしょうか? |
| 小松 | 先ほど、実際に日本における市販量、発売された薬のマーケットをトータルでお示ししたものがありましたが、日本骨粗鬆症学会で科ごとの先生に対するアンケート調査が行われています。それで見ますと、内科医・整形外科医ではビタミンD・ビスフォスドネートでの配合が多いのですけれども、内科医は比較的先ほどおっしゃったビタミンKを使う頻度が多く、整形外科医はエルシトニン製剤を使う頻度が多い。もちろん、婦人科の先生方はHRTを骨粗鬆症治療として選択される例が多いということは出ており、傾向として現在骨吸収マーカーによる骨粗鬆症の診断基準というものがかなり確立されてきて、骨量を測ることと、骨吸収マーカーの抑制があるかどうかということを診断基準として選択した場合には、効力の強ビスフォスフォネートとHRT、SERMということになります。ビタミンDやビタミンKの効果をこれらの数値で評価するというのはなかなか困難です。そういう現状から骨粗鬆症治療を積極的に取り組んでおられる先生方は薬の選択が申し上げたような傾向になってきていると思います。 |
| 質問 | 我々は時々漏斗胸というのを経験するのですけれども、あれは軟骨の過剰形成だということを聞いているのですが、作用機序がどのようなものかわかりませんが・・・もし、軟骨過剰形成としたら、小松先生の研究・治療にも関連してくるようなことが何かあるのでしょうか? |
| 小松 | このCNPは正常な人でも分泌されて成長板軟骨が作られているもので、われわれはそれを薬として使えないかと考えてきたわけです。軟骨にはいろいろ種類があり、肋軟骨の部分と成長板軟骨と、あと大きく分けて関節軟骨等に分類されます。CNPがそのうちどの軟骨に対して有効であるかということは検討している途中です。成長板軟骨に関しては今日示したデータではっきりとした効果がみられたわけですが、そのほかの軟骨に関してはまだ検討途中です。先生にサジェスションをいただいたように、もし漏斗胸というのが軟骨の異常から来るものであり、原因が過剰形成だとすると、そういったものにも応用できたらと考えています。 |
| 司会 | どうもありがとうございました。 |